75年5月に登場したブリストルの4座オープン・モデル。モーガンとは別の意味で頑固なまでに自らの思想を曲げず守り通し、絶対に裏切らない固定客によって支えられていたのがブリストルだが、そのブリストルの異色作ともいえるのが、この412コンバーチブルであった。ザガート・デザインといわれる直線的なボディラインと矩形ヘッドライト、開閉可能なオペラウィンドーを持つロールバー状クォーターピラーを特徴とする。トップは前席の上方が着脱式となっており、クォーターピラーより後ろは折り畳み式のソフトトップとなっていた。外観はモダーンだが機構的には411と変わりなく、2900mmのホイールベースが同じことから明らかなようにシャシーは旧式なラダーフレームをもった411のそれと共通で、前がダブルウィッシュボーン／コイルの独立、後ろはワッツリンゲージとトーションバーによるリジッドに、セルフレベリング機構を備えたサスペンションもまったく同じ。エンジンも411と同様、クライスラー製のV8・OHV6556ccで、同じくクライスラーのトークフライト3速自動変速機と組み合わせられた。78年にはパワーユニットが5898ccにスケールダウンされてシリーズIIとなり、79年末にはその5.9リッターエンジンをターボチャージャーで強化した412・S3ボーファイターが追加された。このS3ボーファイターではルーフをサンルーフ付きのハードトップに改め、ヘッドライトが角型デュアルとなったほか、室内もリデザインされ、装備も一段と豪華になった。

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