ビュイックにおけるルセイバーというモデルの位置付けは、いってみればベーシックフルサイズだった。これは1976年までのエレクトラの127インチに対する124インチという少しだけ短いホイールベースにも現れていたことである。1977年からのルセイバーはホイールベース115.9インチとなった。これは従来はインターミディエイトに相当していたサイズであり、フルサイズそのものがダウンサイジングされたことによる結果といっていいもの。最上級のエレクトラは118.9インチであり、「少しだけ短い」という特徴は従来通りだったのが興味深い。115.9インチホイールベースのシャシーはエステートやリビエラと共通だった。ボディバリエーションは2ドアクーペ、2ドアスポーツクーペ、4ドアセダンの3種。グレードはベースモデルとカスタムの2種。2ドアスポーツクーペはカスタムのみの設定だった。標準エンジンは231CI/Cubic Inch V型6気筒OHV（105PS)。オプションとして301CI V型8気筒OHV（135PS）／カスタム・スポーツクーペ用標準、350CI V型8気筒OHV（155PS）、403CI V型8気筒OHV（185PS）が用意されていた。350CIにはオールズモビル製とシボレー製もあった。これらの350CIは製造工場によって装着する個体が異なっていた。その後1979年には170PSのV6ターボを標準装備した上でスポーツクーペを独立グレードとし、1980年にはエステートワゴンを追加。同年には403CIユニットを整理し、1981年からは105PSの350CIディーゼルを選択することもできるようになった。ターボ・スポーツクーペが存在していたのは1979年と1980年の2年間だけである。

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