前年まではホイールベース126.3インチの堂々たるフルサイズ2ドアクーペだったエルドラードも、1979年モデルからはホイールベース113.9インチへと、まさに二回り程も小さなボディへとダウンサイジングされた。FFシャシーだったのは従来通り。ここで採用されたのはセビルと同じシャシーをわずかに縮小したものである。ボディバリエーションは2ドアクーペのみ。標準エンジンは350CI/Cubic Inch （170PS）V型8気筒OHV。このエンジンはオールズモビルからの供給品であり、他にオプションで同じくオールズモビル製の350CI V型8気筒ディーゼル（125PS）も用意されていた。このダウンサイジングによって、エルドラードはその車両重量を1000ポンド余り軽減し、全長は20インチも短くなった。しかしそのデビュー以来のキャデラックのトップパーソナルグレードというキャラクターは不変だった。1980年には標準エンジンの排気量を368CI（145PS）にアップ。ただしカリフォルニア仕様は前年と同じだった。1982年には標準エンジンを249CI V型8気筒OHV（125PS）へとさらに縮小。このエンジンはアルミブロックの新設計ユニットだった。オプションは252CI V型6気筒OHV（125PS）と350CIのディーゼルV8である。こうしたエンジンの変遷はFFとFRの違いこそあれ基本的にドゥビルに準じていた。

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