1970年4月、初代フェローから2世代目でFFのフェローMAXへと一新されたダイハツの軽自動車に、1971年8月から加わったのがハードトップ。ここまでクラウンからコロナ／ギャラン・クラスまでにしか設定されなかったハードトップ形式を、それより小さい小型大衆車／軽自動車クラスで初めて実現したというのが大きな売り。もちろん、ハードトップといえば2ドア、という時代のことだった。機能重視のセダンから、スポーティーなパーソナルカーへの差別化要求に応えたもの。全長3m×全幅1.3mと小さな軽自動車寸法枠に収めるためもあり、いささかオモチャっぽい印象となったことも否めない。軽快さを増したルーフにはレザートップも用意した。全高はセダンよりも5cmほど低い。エンジンは水冷2サイクル2気筒356cc、シングルキャブの33psまたは40psをセダンと共用し、駆動方式はFF。足回りは4輪コイルの独立。SLとGXLには前輪ディスクブレーキが、GXLにはラジアルタイヤが標準だった。1972年3月、同10月（排ガス対策でエンジンをデチューン）、1973年5月（フェイスリフトなど）、同10月、1975年2月、同11月などに安全・公害対策を含む一部変更を実施。1976年5月には50年暫定／51年排ガス規制対策（550登場）を行ない、これを機にハードトップは廃止となった。

全文を表示する

閉じる