デ・トマゾ パンテーラ

1970年1月~

ガルウィングスタイルのエンジンフードが有名なマングスタを擁して、まだフロントエンジンが当り前だった'60年代の重量級スーパースポーツ界にミドシップの新風を吹き込んだデ・トマゾだが、'70年代を迎えてランボルギーニはミウラに次いでカウンタックを投入し、コンサバティブだったはずのフェラーリやマセラーティまでもが、それぞれ365GT4/BBとボーラを発表、イタリアのエキゾチックカーの世界は怒涛のごとくミドシップ時代に突入しようとしていた。その機運を敏感に察した辣腕経営者、アレハンドロ・デ・トマゾは低価格による量産に活路を見出していた。そこで彼が考えたのは、エンジンの供給源としていたフォードと提携、フォード製V8ユニットを搭載するミドシップスポーツを年間4000台量産し、北米のフォード販売網で売るという、実に抜け目のない計画であった。このため、マングスタのバックボーンフレームは生産性を最大の目的としたモノコックとされる。こうして、ミドシップの大型グラントゥリズモとしては異例の生産/販売プロジェクトが託されたパンテーラは、'70年に最大のマーケットたる北米のニューヨークショーにてデビューする。フォード・クリーブランドV8OHVユニットは、5796ccから330PSを発揮するとされ、ZF製の5速マニュアルミッションが組み合わされて265km/hのマキシマムスピードを達成したとされる。しかし、初期型のスペックについては年式などによって細かく変化する一方、異説も数多くあって、現時点でも依然として不明確である。'73年からは、基本的に同じクリーブランドV8を圧縮比のアップなどで350PSまでチューン、280km/hのマキシマムを獲得したGTSも追加された。けれん味なくクリーンに仕立てたモノコックボディはデ・トマゾ傘下となった名門カロッツェリア・ギア製で、デザインはジウジアーロに代わって同社のチーフに就任したトム・ジャーダが担当した。販売実績は当初の目標たる年間4000台には遠く及ばなかったものの、この種のスーパースポーツとしては比較的多く、最盛期の'72年には2700台以上にも及んだ。デ・トマゾ社長の関心がマセラーティに移ってしまったせいか、モデルチェンジのチャンスを逸してしまいパンテーラの命運は意外にも長く、'70~'80年代も生き抜いた。'92年には派手なエアロパーツでボディを大幅にモダナイズして、再デビューを果たしている。

全文を表示する

閉じる

グレード名 型式 排気量 ドア数 シフト 駆動方式 ※1 定員 燃費 ※2 価格
L - 5763cc 2 5速MT フロア MR 2 - -
GTS - 5763cc 2 5速MT MR 2 - -

1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。

2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。

価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。

販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。

実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。

2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。

2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。

どちらの価格であるかは、グレード詳細画面にてご確認ください。

保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。

カタログトップへ戻る