1980年代に入って、工業技術の進歩に伴って自動車テクノロジーも急速にハイレベル化して行なったが、そのためには開発費も高騰の一途を辿っていた。それを少しでも抑制するために、'82年にフィアット／ランチア（テーマ）、サーブ（9000）、そしてのちに合流したアルファ・ロメオ（164）と共にティーポ4プロジェクトを締結、フィアットからはこのクロマとして現われた。ボディはテーマと同様にイタル・デザインに託されたが、実用性を重んじるフィアットということで、トップモデルながらリアをハッチゲートとした5ドアハッチバックとされた。エンジンは4種のガソリン、2種のディーゼルが搭載される。ガソリンはすべてDOHCで排気量は1.6と2リットル、トップは2リットルにターボが組み合わされて155PSを発生した。そしてEC市場では販売の主力の一端を担うディーゼルは、2.5リッターとそのターボバージョンの2種が用意されたが、'88年にはティーポと共通1.9リットルの新世代ターボディーゼルが、旧2.5NAディーゼルにとって代わる。また'93年には、グループ内のアルファ・ロメオから供給される至宝2.5リットルV型6気筒ユニットが、遂にフィアット・ブランド車のクロマにも搭載されることになる。

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