'83年にデビューしたウーノは、127に代わるフィアットの最量販モデルで、“バリッラ”や“ミッレチェント”の精神を受け継ぐ遠い子孫といわれる。現代イタリア随一の実用サルーンとして、フィアットを一時の低迷から救った傑作でもある。イタル・デザインのジウジアーロがコンセプトの段階から関与してデザインしたボディは極めて機能的ながら、ある種の美しささえ感じさせると評価された。背の高さを利してキャビンとラゲッジのスペースはクラス随一の広さを誇るが、徹底したフラッシュサーフェス化によりCd値は0.34まで低減された。当然ダンテ・ジアコーザ式に横置きされるエンジンは、旧来のOHV903cc、OHC1116cc/1301ccでそれぞれウーノ45/55/70と呼ばれた。デリバリーが開始されるや否やウーノは記録的なヒットとなり、フィアットをかつてのヨーロッパ第一のメーカーに返り咲かせると共に、デビューイヤーの'83年にはカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。また'85年には高性能版としてフィアット初のガソリンターボ・エンジンを搭載したターボi.e.(105PS)も追加される一方、'86年には1367ccのターボディーゼルユニット(70PS)も導入された。'89年にはI・DE・Aがデザインに再び手を加え、大規模なマイナーチェンジが行なわれる。この後も、エンジンの換装などのリフレッシュを頻繁に行ない、'93年に後継車のプントがデビューしたのちも、バリエーションを大幅に整理されながらも数年間は生産が継続した。なお、バリエーションが多いのもウーノの特徴で、リアサスペンションがリトモ用で、ボンネットリッドがパンダのようにサイドに回りこんだブラジル製ウーノ(イタリアでも正式モデルとして販売)、ウーノ・トレンドや、かつての名門スポーツカーコンストラクターが作ったセミカブリオレ“フォルク・モレッティ”、バカンス用ビーチカー“モレッティ・ビーチ”なども少数が生産された。
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グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
55S | - | 1116cc | 3/5 | 5速MT フロア | FF | 5 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。
価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。
販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。
実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。
2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。
2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。
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保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。