フィアット X1/9

1972年1月~1989年1月

'72年、850スパイダーのマーケットを受け継いでデビューしたX1/9は128のパワートレーンを流用した、極めてエポックメイキングなミドシップスポーツである。128ラリー用のベルト駆動SOHC4気筒超ショートストロークのエンジンを更にチューンアップして採用。従来のフィアットFFモデルと同じくエンジンの脇にミッションとデフを置き、不等長のドライブシャフトで前輪を駆動する“ダンテ・ジアコーザ”式FFから、操舵システムだけ取り除いてそっくりミドシップに移設したもの。ただし、モノコックはもちろん、前後ストラットのサスペンションも完全な新設計である。パワーは初期型1300cc版のEC仕様で75PS、リトモ用エンジンを搭載した後期型1500cc版の同じくEC仕様で85PSと決して多くない。しかし、優れてファンなハンドリング、リーズナブルなパフォーマンス、ノンサーボ4輪ディスクのリニアなブレーキフィールなど、優れたスポーツカーとしての資質は全て兼ね備えた佳作であった。ボディデザインとコーチワークはカロッツェリア・ベルトーネに託された。当時のチーフ、マルチェッロ・ガンディーニによる明快な美しさを見せるスタイリングも'70年代スポーツカーデザインの傑作と称されたが、驚くべきはその優れたパッケージングで、2人の乗員とかなり大量の荷物も容易に飲み込んだ。X1/9で示されたコンセプトは、この後ライトウェイトスポーツカーの新たな基準となった。北米ではポンティアック・フィエロ、日本ではトヨタMR2/MR-S、そしてイギリスではMGFなど、同様のコンセプトを継承するスポーツカーは世界で続々と現われ、FFドライブトレーンを流用したミドシップスポーツカーという全く新しいジャンルを築くことになる。フィアット・ブランドでの生産は'82年を持って終了するが、その後も市場のリクエストに応えてベルトーネ・ブランドで生産は継続、結局1989年まで命運を保った。スペックは日本仕様の1300。

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グレード名 型式 排気量 ドア数 シフト 駆動方式 ※1 定員 燃費 ※2 価格
(名称なし) - 1290cc 2 4速MT フロア MR 2 - -

1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。

2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。

価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。

販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。

実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。

2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。

2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。

どちらの価格であるかは、グレード詳細画面にてご確認ください。

保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。

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