59年に設立されたギルバーンは、70年代にデイブリアンが移転するまでウェールズ地方唯一の自動車メーカーであり、またキットカーからコンプリートカー製作に転じた数少ないメイクスでもあった。59年からGT、66年からはジェニーという2ドア4座クーペをラインナップし、少数だが量産車に飽き足らないエンスージアストの間に確実な市場を得ていた。69年に登場したインベーダーはジェニーの改良版で、この種の少数生産スポーツカーの定石である鋼管セパレートフレームに、ジウジアーロが手掛けたアルファ・ロメオ・ジュリア・スプリントの影響を感じさせるFRPボディを載せている。パワートレーンはフォード・ゾディアック用のV6・OHV2994cc・140PSエンジンと、4速MTの組み合わせで、オプションで3速ATも用意された。前ダブルウィッシュボーン／コイルの独立、後ろトレーリングアームとパナールロッドによる4リンク／コイルのリジッドのサスペンションおよびディスク／ドラムのブレーキはMGB用、ステアリングもBMCのラック＆ピニオンを流用していた。71年に細部が改良されてマークIIとなり、同時にエステートが追加された。72年にはフロントグリルの幅が拡げられるなどのフェイスリフトを受けてマークIIIに発展、前後サスペンションはフォード・コーティナ／タウナス用に改められた。また、このマークIIIからはキットフォームでは販売されず、完成車のみの販売となった。74年までに約600台ほどが生産された。

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