クライスラーUKが70年2月に送り出した、インプとハンターの中間車種。フォード・エスコートよりやや大きく、ボクスホール・ビバとほぼ同サイズの、モダーンだが没個性的なボディにごくコンベンショナルな機構を包んだ2／4ドアサルーン。パワーユニットは直4OHV1248cc・54PSと1498cc・64PSだったが、74年には双方ともサイズアップされて1296cc・58PSと1598cc・70PSとなった。また当初からツインキャブの高性能版が用意されていた。サスペンションは前マクファーソンストラット／コイルの独立、後ろは4リンク／コイルのリジッド、ブレーキはサーボ付きディスク／ドラムである。グレードはデラックス／スーパー／GL／GT（ツインキャブ）とあり、73年にGLS（ツインキャブ）が追加されて5種となる。外観上、GLとGLSは丸型デュアルヘッドライトを持ち、他のモデルは角型2灯が付く。72から73年にかけて、コンペティションを意識したスポーティー仕様のタイガーが少数存在したが、これはツイン・ウェバーキャブを備えた1.6リッターユニットや、アルミホイールを標準で備えたモデルであった。また74年には5ドアワゴンのエステートも加わっている。76年のマイナーチェンジを機にヒルマン名を外しクライスラー・アベンジャーとなり、78年には2ドアが廃された。78年8月のクライスラーのヨーロッパ撤退に伴い、80年型からはタルボット・アベンジャーに再び改名するが、81年には姿を消した。

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