ヨーロッパ流の合理的な設計思想を盛り込んで、72年7月にデビューした新時代のベーシックな小型車。2ドアまたはテールゲートを備えた3ドアのシンプルな2ボックスボディ、それまでのホンダのイメージを覆す低回転・低出力の水冷エンジンなど、新鮮な感覚にあふれたシビックは発売と同時に高い人気を獲得。ホンダは小型車市場においてようやく地盤を固めた。73年5月の小変更に伴って無段変速のスターレンジを持つ2速ATを加えたのち、73年12月にはホイールベースを80mm延長、4ドア化したボディにひとまわり大きい1.5リッターユニットを積んだ4ドア1500を追加。同時に独自の副燃焼室を備えた後処理なしの低公害エンジン搭載したCVCC1500もデビュー、再び話題を呼んだ。まろやか路線に転換をはかったものの、高水準のハンドリングを示すシビックに対してスポーティーモデルを望む声は多く、それに応える形で74年10月にはツインキャブと5速ギアボックスを持つ1200RSが加えられた。しかし、それから10カ月後の75年8月、シビックは他社に先駆けて1200／1500ともに全車51年排出ガス規制をクリアしたCVCCエンジンを搭載。RSは廃止された。その後は数度にわたり車種追加と小変更を重ねるが、77年9月には1500が53年排ガス規制適合と同時に5ドアを加えた。78年6月には1200がキャパシティーを1300に拡大することによって同じく53年排ガス規制適合を果たし、また1300にも5ドアが登場したことで4ドアは廃止された。

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