一時代を築いた“軽の革命児”N360／NIIIのあとを受けて71年6月に発売された“まろやか路線”の軽乗用車。公害・安全対策の充実という時代の要請、および自身が火を付けたパワーウォーズへの反省を背景に、エンジンを空冷から水冷に一転、カムシャフト駆動に国産初のコックドベルトを採用するなどして静粛性、快適性を大幅に向上。ホイールベースをNより延長し、さらに居住性を高めたボディには軽ではキャロル以来の4ドアも用意されるなど、徹底したファミリー指向となっていた。エンジンは2種のチューンがあり、圧縮比を8.0に落としたライフ・タウン用はノーマル版の最高出力30PS／8000rpmに対し21PS／6500rpmに抑えられていた。71年7月にはオートマチックが加わり、同10月にはライフ・ワゴンも加わった。72年4月にはまろやか路線への転換に不満を唱える層に向け、ホンダZ用のツインキャブユニットを搭載し、黒塗りグリルなどでスポーティーに装った2ドアモデルをライフ・ツーリングの名でラインナップ。同9月には4ドアにもそのエンジンを搭載した“ツイン”が登場。その一方でタウン・シリーズは72年中に生産打ち切りとなった。また、このコンポーネンツを利用してユニークなスタイルのコマーシャルカー、ライフ・ステップバンおよびピックアップも造られた。

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