ホンダ S800

1965年1月~1970年1月

S360/500(1962年東京モーターショー参考出品車)に端を発するホンダ“エス”シリーズ、その最終型が1965年末にデビューしたS800である。S800はDOHCのバルブ機構、ローラーベアリングに4連CVキャブレターなど、当時、既に世界の頂点を究めつつあった二輪車や、1964年シーズンから正式参戦した“走る実験室”ことF1・GP譲りの技術がふんだんに投入され、僅か791ccというちっぽけなエンジンを搭載しながら、「時計のように精密」と賞賛された。しかし、排気量を全く感じさせない素晴らしい高性能を発揮する一方で、劣悪だった当時の道路事情下でも充分な実用性を有し、特にS600時代の1964年に追加されたクーペは“ビジネスの足”としてPRされていたことも特筆すべき事実である。S800の高性能が公道のみに収まるはずもなく、当時の国内レースではGT-Iカテゴリー1000ccクラスで常勝マシーンになる一方、本場ヨーロッパでも、生沢徹のドライブで1967年ニュルブルクリンク500kmレースにて1000ccクラス優勝を果たすなど、驚くべき戦果を残している。S800はホンダにとって初めての四輪車ながら、同時に我が国のスポーツカー史における金字塔的傑作となったが、最終モデルS800Mでも75万円という安価な販売価格も相まって、当時の日本人モータリストに初めてスポーツカーの楽しみをもたらした功績はきわめて大きいといえよう。1970年に惜しまれつつ生産を終えた。モナコのグレース王妃や、フェラーリの世界的コレクターとして知られるフランスのピエール・バルディノン氏が愛用するなど、スポーツカーについては先達たるヨーロッパのセレブリティーやエンスージアストからも極めて高い評価を得たのは、日本製スポーツカーとしては恐らく初めてのことだろう。写真はS800M。

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グレード名 型式 排気量 ドア数 シフト 駆動方式 ※1 定員 燃費 ※2 価格
(名称なし) - 791cc 2 4速MT フロア FR 2 - -

1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。

2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。

価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。

販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。

実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。

2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。

2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。

どちらの価格であるかは、グレード詳細画面にてご確認ください。

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