ベレット生産中止から約1年のブランクの後、74年11月に誕生したファミリーサルーン。当初は、ベレットの後継車となることからベレット・ジェミニと名乗っていた。71年にGMの傘下に入り、そのグローバルカー構想のもとに開発されたジェミニは、オペル・カデット、シボレー・シェベットといったグループ内の兄弟車と基本的に共有する4ドアセダンまたは4ドアクーペボディに、ベレットのそれをクロスフロー化した1.6リッターSOHCユニットを搭載。FRの駆動方式をはじめ機構的にはごくコンベンショナルながら、ヨーロッパ流の合理的な設計は、シンプルなスタイリングとともに好感をもって迎えられた。数度にわたる小規模のフェイスリフトと車種追加の後、77年6月にはヘッドライトを丸型2灯から角型2灯に改め、エンジンを拡大した1800シリーズを追加する。79年6月にはボディパネルの変更を含む大がかりな手直しを受け、フロントは通称逆スラントからスラントノーズとなり、セダンではトランク形状まで改められた。さらに同年11月には1.8リッターDOHCユニットを積んだ硬派のZZおよび経済的な1800ディーゼルを追加。その後も細かな改良と車種追加は続き、81年10月のフェイスリフトでは室内デザインが一新され、82年11月にはターボディーゼルが加わる。85年5月にいすゞの独自開発になるFFジェミニに世代交代したのちも、セダンZZ/Rに限りしばらく併売された。

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