68年9月に登場したXJシリーズの成功により、BL（ブリティッシュ・レイランド）のジャガー・ディビジョンは、当時やや衰退気味だった英国自動車界にあってひとり気を吐いていた。同シリーズは発売以来生産が注文に追い付けない状態が続いていたが、73年9月、アメリカの安全基準の変更に伴う安全対策を主とした改良とフェイスリフトが施され、シリーズIIに発展した。シリーズIとの識別点はフロントバンパーの位置が高くなり、それに伴いウインカーがバンパー下に移動、フロントグリルは上下方向に縮められた。内容的にはドアにWセクションの構造材が組み込まれ、内装もダッシュのデザイン、スイッチのレイアウトからトリムまで大きく変更された。機構的にはフロントのディスクブレーキがベンチレーテッドとなったことが目新しい。また2.8リッターユニットがカタログから落とされ、直6エンジンは4.2のみとなった。バリエーションはXJ6と、ホイールベースを100mm延ばしたLWB版のXJ6Lの2種のサルーンのほか、新たにメルセデスSLCやBMW3.0CSなどに対抗すべく2ドアハードトップ版のXJ6Cが登場した。75年4月にはサルーンボディがLWB版のみとなり、4.2リッターのボアを縮めた3442ccユニットが追加され、車名がXJ 3.4／XJ 4.2に改められた。74年から販売開始されたクーペ版のXJ6Cは、3年後の77年には消滅、サルーンは79年春にマイナーチェンジされてシリーズIIIとなる。

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