70年代を通してメルセデスやBMWなどと「世界で最も優れたサルーン」の地位と名声を争ったBL（ブリティッシュ・レイランド）のトップモデル。適度に古風でエレガントなスタイリング、無類の静粛性と乗り心地、スポーツカーをも凌ぐハンドリングが、ライバルと比較した場合の美点であった。68年9月にデビュー、73年9月にシリーズIIとなり、79年3月にはシリーズIIIに発展した。最大の変更点はルーフラインを高めたことで、これによってXJサルーンの数少ない短所だった後席のヘッドルームの不足が改善された。そのほか外観上ではフロント三角窓の廃止、バンパーの大型化、フロントグリルの小変更（クロームの桟が横縞から楯縞に）、テールランプのデザイン変更、キャップレスホイールの採用などが目に付く。室内ではステアリングが太めの革巻きとなり、スイッチ類の表示が文字から絵文字に変更され、前席にはランバーサポートが備わった。その他、ヘッドライトウォッシャー／ワイパー、電動サンルーフなどがオプションで用意された。機構的には4.2リッターユニットが、SUツインキャブから電子制御燃料噴射付きとなって20PSほどパワーアップ。またマニュアルギアボックスはそれまでの4速＋ODに代わって、ローバーSD1と同じ5速MTが標準となった。その後は大きく変わることなく86年まで生産され、XJ40（XJ6 2.9／3.6）に後を譲る。

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