ウラッコP250は、スーパースポーツとしては小型の部類に属するモデルだが、2+2の実用的なスーパースポーツを目指して企画された意欲的なクルマであった。ライバルとしてはフェラーリのヒット作246GT/GTBというよりも、従来から実用的高級スポーツカーとして世界的な名声と販売実績を欲しいままにしていたポルシェ911のマーケットの切り崩しを主目的としたモデルだった。企画の立ち上がり当初から生産性とコストダウンに最大のプライオリティを置いたモノコックボディを持ち、組み立て工程には無人ロボットによるオートメーションさえ考えられていたという。2450mmというミウラよりも更に短いホイールベース内に2+2のシートアレンジと横置きV8のミドシップエンジンを両立、ミドシップのパッケージングテクノロジーに一石を投じたモデルでもある。エンジンはV8・2462ccから220PSという充分なパフォーマンスを発揮したが、各バンクあたりSOHCのヘッドが、スペックを重視するマーケットに受け容れられない一因を作ってしまっていた。ウラッコ・プロトタイプは'70年のトリノショーで発表されたが、デビュー後の量産に向けたテストで組み付けの問題が次々と発生、その対策に大幅に時間を費やした結果、'73年頃にようやくデリバリーが開始された。しかし、それは時悪しくも第一次オイルショックの真っ只中で、イタリア国内向け税金対策版の2000ccのP200、そして3000ccにスープアップされた上に念願の4カムヘッドを得た高性能版P300も追加されるが、結局ポルシェ911の追い討ちに失敗したのはもちろん、フェラーリから近似したコンセプトと共に登場したディーノ208/308GT4にもマーケットを奪われ、商業的には惨憺たる結果に終わってしまった。'79年ごろに最後のP300がラインオフ、悲運の生涯を終える。
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グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
P250 | - | 2462cc | 2 | 5速MT フロア | MR | 4 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。
価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。
販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。
実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。
2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。
2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。
どちらの価格であるかは、グレード詳細画面にてご確認ください。
保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。