
大成功したフィアットX1/9のコンセプトを上方移行したミドシップスポーツカー。X1/20として開発がスタートした当初は、X1/9の兄貴分のスポーツカー、あるいは124スパイダーの後継モデルとしてフィアット・ブランドでの販売が予定されていたが、結局ドライブトレーンの供給源となったランチア・ベータの1グレードとして、1977年にデビューすることになる。ボディのデザイン、製作はピニンファリーナに託され、当時のチーフスタイリスト、レオナルド・フィオラヴァンティが、フェラーリBBなどのエッセンスを巧みに生かした流麗なプロポーションとする一方、黒いプラスチックをあしらったノーズなどのディテールで、サイズ相応の可愛らしさも与えられた魅力的なスタイリングを実現して見せた。このボディで最も秀逸なアイデアは、ロールバー状にされたルーフ後端に巧みに畳み込まれてしまう“スパイダー”バージョンのソフトトップであろう。モノコックのボディにはベータ譲りの前後マクファーソンストラットのサスペンションが組み込まれる。そしてエンジンは、ベータのトップモデル2000のユニットを118PSまでチューン、弟分のフィアットX1/9と同様、ダンテ・ジアコーザ式の横置きドライブトレーンと共にミドシップに搭載した。ところが、高価だったことも相まってランチアの期待ほどには実績が上がらなかったモンテカルロには、'80年に早くも大規模なマイナーチェンジが施される。まず外観では、この時期のC.I.戦略に合わせてグリルをランチア伝統のスタイルに換えると同時に、斜め後方の視界を確保するために、リアクォーターのフィンにウィンドーが設けられた。また個性的な形状だった13インチのアルミホイールは、14インチに拡大されると同時にクーペなどと共用のクラシカルなものに換装、合わせてブレーキディスク径も拡大された。エンジンも圧縮比のアップなどで若干パワーアップが図られ120PSとなる。しかし、これらの措置をもってしても売れ行きは好転することなく終わってしまった。美しいスタイル、ミドシップのシャープなハンドリングにはファンも多く、現代ではクラシックスポーツの仲間入りを果たしつつある。
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| グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (名称なし) | - | 1995cc | 2 | 5速MT フロア | MR | 2 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。
価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。
販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。
実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。
2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。
2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。
どちらの価格であるかは、グレード詳細画面にてご確認ください。
保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。