'83年末にデビューした4ドア版ビトゥルボ425は、'87年に大規模なマイナーチェンジが施され、'90年代のマセラーティの方向性を示したニューモデル、430に進化する。まずV6ツインターボエンジンが228と共にデビューした2.8リットルにスケールアップされ、ATは従来型の3速から4速にグレードアップされた。デファレンシャルも従来の“センシトルク”から、より高効率で信頼性も高いという“レンジャーデフ”に変更された。一方、フロントサスペンションには“メッカニカ・アッティーバ”なる新機構が採用された。これはステアリングラックとアームの間にS字型のロッドを挟むことで、ストラットサスのロワーアームとステアリングアームの上下関係が、ホイールが上下しても影響を受けなくなる。したがって、いかなる状況下でもステアリングレスポンスが不変であると同時に操舵力も軽くできるとマセラーティ側では説明していた。外観は基本的には従来型を踏襲するが、ラジエターグリルはやや丸みを帯びた形状とされる。またインテリアは、これまでのシフトノブに加えて、ステアリングホイール、ハンドブレーキレバーもウッドが贅沢に振舞われ、ゴージャスな雰囲気がいっそう強くなった。

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