1970年代にシトロエンの指揮下に入り、その潤沢な資金で更なる発展を遂げるかに見えたマセラーティだったが、親会社たるシトロエンがまさかの経営危機に陥り、そのあおりを受けたマセラーティも次第に危機的な状況となっていた。そして'75年、イノチェンティ、モト・グッツィ、ベネリなどを傘下に収め、日の出の勢いにあったデ・トマゾ・グループに入ったマセラーティは従来の超高級グラントゥリズモ路線を断念、より廉価ながら量産が望めるモデルに全精力を注ぐ決定を下す。そんな状況下、'81年12月14日(ちなみにこの日はマセラーティ兄弟が会社を設立した記念日)にデビューしたビトゥルボだが、2000ccクラスの量産クーペといえども、2基のターボチャージャーを装着したV6SOHC18バルブという生粋のスーパーカーエンジンを搭載する贅沢な内容のグラントゥリズモだった。このツインターボユニットは2リットルのファーストモデルで180PSという、4カムを持つメラク2000を遥かに超えるパワーを発揮、2ドアクーペを215km/hまで運んだ。また、カローラ・クラスの小柄なクーペに、同社の、更にいえば当時のイタリア最高級サルーンであったクアトロポルテのシート/トリムをそのまま持ち込んだような極めて豪華なインテリアは、この後マセラーティのアイデンティティとなった。翌年には、輸出向けに2.5リットルモデルが追加された。1985年には有名なアーモンド型の時計を含む425系のインテリアとインタークーラーが装着されたビトゥルボIIに進化(日本向けにはESと名付けられた、写真のスポーツ版に特化して販売)、更にその翌年には独ボッシュ製のK-Eジェトロニックが与えられるなど矢継ぎ早のマイナーチェンジを受ける。一時はシトロエンの巻き添えによる倒産の恐れもあったマセラーティ社の窮状は、一時は年産の総計が5000台にも達したビトゥルボ・シリーズの大成功によって事実上回避された。
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グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2000 | - | 1996cc | 2 | 5速MT フロア | FR | 5 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。
価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。
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2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。
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保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。