1960年代は名作ギブリを擁してフェラーリ・デイトナ、ランボルギーニ・ミウラと三つ巴の最速争いを繰り広げたマセラーティだが、'70年代を迎えるとフェラーリは365GT4/BB、ランボルギーニはカウンタックを投入し、イタリアのエキゾチックカーの世界はミドシップ時代に突入しようとしていた。その機運を察したマセラーティは従来、新技術の導入には慎重だったが、この時ばかりは負けじとばかりに、カウンタックLP500と同じ'71年のジュネーブショーにミドシップスポーツのボーラを出品する。デビュー当初は、何故かギブリの最強版5000SS用のエンジンは搭載されず、4709ccから310PSを発揮するとされた。しかし、マキシマムスピードについてはギブリと同様、280km/hを公表していた。'76年からはフルスケールの4931ccユニットも追加される。ボーラ最大の技術的特徴は、当時の親会社、シトロエンのハイドロニューマティックの技術がブレーキ、ポップアップ式のヘッドランプ昇降、パワー・ウィンドー/シートなどに導入されたことだろう。2600mmのホイールベースを巧みに昇華し、スタイリッシュに仕立てたモノコックボディは独立して間もないジウジアーロ率いるイタル・デザイン製で、ステンレス製のルーフがアピアランス上最大の特徴である。ギブリ時代はライバルたちと比べてスペックでは見劣りしても、極めて高度なリファインメントとボディ内外のクォリティ、ボディデザインの魅力で充分太刀打ちできたが、ボーラではやはり12気筒エンジンを持たないこと、ややアグレッシブさに欠けるスタイリングが仇となったのか、販売実績は決して芳しいものではなかった。'78年頃に、デ・トマゾ・グループ入りで転換した経営方針によって生産を終える。
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グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(名称なし) | - | 4709cc | 2 | 5速MT | MR | 2 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。
価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。
販売期間中に消費税率が変更された車種で、消費税率変更前の価格が表示される場合があります。
実際の販売価格につきましては、販売店におたずねください。
2004年4月以降の発売車種につきましては、車両本体価格と消費税相当額(地方消費税額を含む)を含んだ総額表示(内税)となります。
2004年3月以前に発売されたモデルの価格は、消費税込価格と消費税抜価格が混在しています。
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保険料、税金(除く消費税)、登録料、リサイクル料金などの諸費用は別途必要となります。