デ・トマゾ・グループの傘下に入って1年後の'76年秋、2ドアのビッグクーペ、キャラミに次いで発表された三代目クアトロポルテ。生産準備に手間取り、実際のデリバリーは'79年まで持ち越された。キャラミほど露骨ではないが、このクアトロポルテもデ・トマゾの大型4ドアサルーン“ドービル”のフロアパンを若干のホイールベース延長と共に流用した。したがって、前後ダブルウィッシュボーンのサスペンション、リアのインボード4輪ディスクブレーキなどはすべてドービルを短縮したデ・トマゾ・ロンシャンをベースとしたキャラミと共用である。そのシャシーにイタル・デザインがマセラーティ・シャシー上に製作したデザインスタディ“メディチ”をデザインテーマとした全長4.9メートル級の大型4ドアサルーンボディを架装、伝統のマセラーティV8を搭載したのが、このクルマの基本的な成り立ちである。元をただせば'50年代の超弩級レーシングスポーツ、450Sに端を発するV8・4カムユニットは、先代同様4.2リットルが選択された。エミッションコントロールに備えて少々デチューンされたものの、依然255PSは確保していた。更に、キャラミ同様4.9リットルも選択可能となった。1900kgの超ヘビー級ボディにも4.9リットルのパワーは充分以上のもので、5速マニュアルと組み合わされた場合には230km/hのマキシマムスピードを誇称、世界最速サルーンの栄冠は維持された。クアトロポルテのもう一つの特徴は、やや華美なほどに豪華なインテリアで、これはこの後小型のビトゥルボにも移植され、マセラーティの新たなアイデンティティとなった。'86年に、エンジンを4.9リットルに統一、内/外装を更に豪華絢爛に仕立てたロイヤルに進化を遂げる。カムカバーを赤く結晶塗装されたV8・4カム4931ccは、依然4基のキャブレターを使用することまでクアトロポルテ時代のオプションユニットと変わらないが、新たに圧縮比のアップで300PSまでチューンされた。ロイヤルでは変速機はATに一本化されたが、ストッピングパワーの確保のためにディスクブレーキはベンチレーテッドに格上げされた。'90年代に入ると、元より少なかった生産はますます減少、'94年に4代目クアトロポルテがデビューする頃にはほとんど受注生産に近い状況となっていた。
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グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(名称なし) | - | 4136cc | 4 | 5速MT フロア | FR | 5 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
2.燃費表示はWLTCモード、10・15モード又は10モード、JC08モードのいずれかに基づいた試験上の数値であり、実際の数値は走行条件などにより異なります。
価格は販売当時のメーカー希望小売価格で参考価格です。消費税率は価格情報登録または更新時点の税率です。
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