初代コンパクトクラスのウエストラインから上をピラーレスのハードトップにアレンジしたクーペで、68年11月にデビュー。ホイールベース、全長ともサルーンとまったく等しく、全高だけ45mm低くされている。スウィングアクスルに代えて採用したセミトレーリングアーム／コイルの後輪懸架をはじめ、シャシーはセダンと共通。パワーユニットは直6SOHC2496ccで、250Cがツインキャブで130PS、250CEは新開発の電子制御式燃料噴射で150PSを得ていた。ギアボックスは4速MTとフルイドカップリングを用いた4速ATのほか、新たに5速MT（4速＋OD）も選べ、オプションでパワーステアリングも用意された。72年4月に250Cは名称はそのままで直6SOHCの2778cc・130PSに換装され、同時に新開発の直6DOHC2746cc・160PSを積んだ280Cと同インジェクション仕様の185PSを搭載した280CEが追加された。これら新車種の登場により250CEは消滅、コンパクトクーペはすべて2.8リッターとなった。73年8月にはサルーンとともにフェイスリフトを受け、グリルが幅広く低くなり、Aピラーのドリップモールやテールランプが改良され、室内も小変更が施された。トップモデルの280CE（5速MT）は、CG誌74年3月号のテストで最高速度201.38km/h、0-100km/h加速9.9秒、0-400m加速15.98秒の高性能を記録している。発表から9年後の77年、ジュネーブショーでデビューした新Cシリーズに後を譲った。

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