メルセデス・ベンツのトップレンジであるSクラスは、1980年モデルからW126と呼ばれるモデルへと世代を進めた。途中にリンクを持ち2分割することによってアッパーアーム長を確保するフロントサスペンションや、6気筒のM110シリーズ、V型8気筒のM117シリーズなど、多くの熟成されたコンポーネンツが先代のW116より流用され、初期モデルから完成度の高いモデルであった。相変わらず威風堂々としたボディは、それでも全幅が50mm狭くなり、逆に全長、ホイールベースは、標準のSE、ロングホイールベースのSEL共に大きく延長されている。モデルバリエーションは、6気筒エンジンの280S、280SE、V8エンジンの380SE、500SEの計4モデルでスタート。280S以外のモデルには、やや遅れてロングホイールベースのSEL（V126）も追加設定された。また1980年モデルとして、5気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した300SDが北米、日本向けとして発表された。1986年には、エクステリア、ホイールなどの意匠が変更され、モデルラインナップもエンジン排気量の変更などにより改められ、6気筒の260SEがロワーレンジモデルとして追加された他、280SE／SELは300SE／SELへ、380SE／SELは420SE／SELへ、500SE／SELは560SE／SELとなった。さらに300SDLターボが北米向けに生産された。以降1991年に登場したW140へとスイッチするまで、生産が続けられた。

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