1955年の発表以来、曲線美に富んだハンサムなスタイリングと、非常にドライブしやすい性質でメインマーケットの北米、イギリス本国を始めとするヨーロッパ共に大ヒット作となったMGAは、デビュー当初1489cc、68PS（'56年10月からは72PS）だったBMC・Bタイプユニットを1588ccまでスケールアップさせた“MGA1600”に発展する。'58年から'60年まで生産された高性能版“ツインカム”と同じボア×ストローク比が与えられた4気筒3ベアリングOHVエンジンは79.5PSを発揮、空気抵抗の大きいロードスターバージョンでも確実にオーバー100マイルの最高速を実現した。ボディのバリエーションには1500時代と変わらずロードスターと、オプションのハードトップ、そしてそのハードトップをそのまま固定したような形状のフィクスドヘッドクーペが存在した。また、ツインカム用に各部が強化されたシャシーと同じくツインカム用の4輪ディスクブレーキが奢られた“1600デラックス”がごく少数ながら生産されている。'61年には、依然BMC・Bタイプを名乗るものの、その実はシリンダーブロック、ヘッドともに新設計された1622ccの1600マークIIに発展、翌年後継車MGBにバトンタッチするまで生産された。MGA7年間の通算生産台数は約101,000台に上る。

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