12年間にわたってミニ・マーコスを造ってきたチームが、78年に組織を改めD&Hファイバーグラス・テクニーク社として新発足し、発表したのがマイダス。マイダスとはギリシャ神話に出てくる、手に触れるものをことごとく金に変える力を与えられた王の名前である。FRP製のモノコックボディに中古のミニのコンポーネンツを組み込んで造るFFスポーツで、ミニ・マーコス同様キットフォームで販売された。2ドアハッチバッククーペのスタイリングは、ミニ・マーコスの面影を残しつつ、ぐっとモダーンでスムーズになっていた。機構面では後輪懸架をミニのトレーリングアームを用いながら、スプリングをコイルに改めて乗り心地とロードホールディングを高めていた。パワーユニットは848ccから1275ccまで、各種サイズおよびチューンのBMCのAタイプ・エンジンを搭載することができた。かつてのミニ・マーコスと同じく、ほぼドンガラ状態からあとはサスペンションとパワートレーンを組み込むだけにいたるまで数段階のキットフォームが用意され、88年まで10年間にわたって生産された。兄弟車としてマイダス・ブロンズやマイダス・ゴールドがあった。

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