コルト11F／1200を70年末に生産中止してからまる2年の空白を経た73年2月、ようやく発売された三菱待望の大衆車。本来、71年に登場したギャラン・クーペFTOのサルーン版として企画されたモデルで、主要コンポーネンツはギャランやFTOから流用している。ライバルであるカローラ／サニーとほぼ同じサイズのロングノーズ、ショートデッキの2／4ドアボディのフロントに、1200（OHVネプチューン）／1400（SOHCサターン）／1600（同）の3種のエンジンを積み、後輪を駆動するというコンベンショナルな構造である。しかし、平凡ながら巧みなセッティングによって得られた素直な操縦性は大きな魅力であった。当初はおとなしいグレード主体の車種構成だったが、73年8月にはツインキャブの1.6リッターユニットを積んだ2ドア1600GSRなどが追加され、74年10月にはマイナーチェンジを実施。76年11月にはフェイスリフトされると同時に1600はサイレントシャフト付きのサターン80に換装され、以後78年まで排ガス規制適合を主目的としたエンジン換装、改良が頻繁に行なわれる。軽量ながら剛性の高いボディとハイレスポンスのサターン・ユニット、軽快なハンドリングを武器にラリーやダートトライアルでも大活躍、なかでも74年と76年のイーストアフリカン・サファリラリーの総合優勝、73年から76年までサザンクロスラリー4連覇といった国際舞台での快挙は、特筆に値する。

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