オーグル・デザインの生みの親であるデイヴィド・オーグルは、62年のロンドンショーに出展されたSX250（デイムラーSP250のシャシーにFRP製2＋2クーペボディを載せたカスタム）を残して63年に世を去ったが、このオーグルSX250のボディをセイバー・シックスのシャシーに架装して量産化したのがリライアント・シミターGTである。64年のデビュー当初はフォード・ゾディアック用の直6OHV2553ccを積んでいたが、66年にはゾディアックのモデルチェンジに伴い、エンジンを新型用のV6OHV2994cc・136PSに換装、翌67年にはゼファーV6用の2495cc・112PSユニット搭載モデルも加わった。最高速度は2.5リッターで177km/h、3リッターでは193km/hに達するなど、性能面はもちろん耐久性、操縦性に優れ、安全性も高いと評価され、イギリスでは“ビジネスマンズ・エクスプレス”と呼ばれた。シャシーはラダーフレームを主体にX字形メンバーで補強したもので、サスペンションは前ウィッシュボーン／コイルの独立、後ろダブルトレーリングアーム＋ワッツリンク／コイルのリジッド、ブレーキはディスク／ドラムである。68年10月にオーグル社でリデザインされたスポーツワゴンの先駆者たるGTEがデビュー。69年には安全性向上のため内装が変えられたが、主力がGTEに移されたため、GT（クーペ）は70年いっぱいで生産を終えた。

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