66年5月に登場したシルバー・シャドウをベースとするマリナー・パークウォード製2ドアサルーン／コンバーチブルから発展したモデルで、71年5月にベントレー版も含めてコルニッシュという名称に改められた。コルニッシュとは南仏の海岸道路の名で、その名の通り世界の王侯貴族や富豪がバカンスをリゾートで過ごすために造られたような最高級パーソナルカーである。R-R傘下唯一の生き残りであるコーチビルダー、マリナー・パークウォードの熟練工によって手作りされた2ドアサルーン／コンバーチブルボディのフィニッシュは、シルバー・シャドウより一段と上質で、内装もより豪華に仕上げられている。機構的には4ドアサルーンとなんら変わるところはなく、サスペンションは前ダブルウィッシュボーン／コイル、後ろトレーリングアーム／コイルの全輪独立で、シトロエン特許の自動車高調節装置が付き、その油圧を利用した4輪パワー付きディスクブレーキを備える。エンジンも共通のアルミ製V8OHV6750ccで、出力／トルクは例によって“必要にして充分なだけ”としか発表されていない。ギアボックスはGM製ターボハイドラマティック3速ATで、最高速度は公称190km/h。77年にはステアリングがラック＆ピニオンになり、エアダムを加えるなど内外装にフェイスリフトを受けてマークIIに発展。81年には2ドアサルーンが消え、残ったコンバーチブルは87年にインジェクションユニットに換装された。

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