63年に登場したローバー2000は、スモール・ロールス・ロイスと呼ばれるほど高品質だが、保守的というローバーのイメージを一新したミドルクラスのサルーン。高剛性を誇るボディは大いに近代化され、趣味のよい室内、入念な仕上といった持ち味はそのままに、SOHCエンジンなどの新機構を導入。独特の足まわりによる卓越した操縦性と乗り心地は高い評価を得た。65年にはエンジンをSUツインキャブで強化したTC（バンパーにオーバーライダーを備えることで識別される）も追加され、シングルキャブレター版はSCと呼ばれることになった。70年にはフロントグリルが横縞からハニカム模様に変更されるなどのフェイスリフトを受け、マークIIとなる。73年10月には主として排出ガス対策に伴う出力低下をカバーすべく直4SOHCエンジンを1978ccから2205ccへとスケールアップ。SC用で98PS／5000rpm、TC用ではツインキャブで115PS／5000rpmの最高出力を発生した。頑丈で重い4ドアサルーンボディを支える足回りは非常に凝ったもので、前がコイルスプリングを水平に寝かせた独特な方式の独立、後ろはド・ディオン・アクスルを持つ。4輪ディスクのブレーキも後ろはインボードにマウントされるなど、バネ下重量の軽減に配慮がなされており、乗り心地は優れていた。77年、2300／2600（SD1）に後を譲り、13年の長いモデルライフを終えた。

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