1950年代の初頭以来途絶えていたトライアンフの中型サルーンとして'63年秋にデビュー。同じレイランド・グループに属するスタンダードの中型サルーン／エステート、バンガードのマーケットを引き継ぐことが期待されていた。コンサバティブな作品の多かった'60年代のイギリス製サルーンのマーケットに、ローバー2000と共に新風を吹き込んだ革新派と呼ばれている。ボディのデザインは、既にヘラルドで好評を得ていたカロッツェリア・ミケロッティを再び起用、極めて軽快でスタイリッシュな6ライトボディが実現した。デュアルヘッドライトを装着したフロントマスクには、同時期に同じミケロッティがデザインした我が国の日野コンテッサ1300との近似性も感じられる。シャシーはトライアンフでは初めての経験となるモノコックが採用され、前マクファーソンストラット／後ろセミトレーリングアームの4輪独立懸架が組み合わされた。エンジンはバンガード・シックス用6気筒OHV1991ccを、2基のストロンバーグで91PSにチューンして搭載。発表当初は2000サルーン一本の体制だったが、'65年にはエステートワゴンが追加、更に'68年にはTR5PIと基本的には共通の2498cc・134PSを搭載した高性能版2.5PIが追加される。'69年、ミケロッティ自身がオリジナルデザインに手を加え、ノーズとリアエンドが大きくモディファイされたマークIIに進化を遂げた。写真・データともに1963年型のもの。

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