66年秋に登場したGT6は、オープン2シーターのスピットファイアをベースにテールゲートを持つファストバッククーペにアレンジし、ビテス2リッターと共通の直6OHV1998ccユニットを載せたモデルで、MGB・GTと同じマーケットを狙っていた。フロントフェンダーごとばっくりと前方に開くボンネット、そこにつけられたパワーバルジなどのデザインの近似性から“プアマンズEタイプ”などとも呼ばれた。68年にはビテス・マークIIIと同様にリアサスペンションを改良し、出力を105PSに増強したマーク2に発展した。スピットファイアよりひとまわり大きな6気筒エンジンと全天候型クーペボディを持つGT6は、スピットファイアの775kgに対して915kgとかなり重くなっていたが、相対的に充分なパワーをもつエンジンと、極端なクロースレシオのギアボックスにより、スポーティーなドライビングが可能だった。外観上マーク2はグリル中央まで上げられた大きなバンパーや、ボンネットサイドに加えられた熱気抜きルーバーで識別できる。インテリアはフェイシアが変更され、ベンチレーションシステムなどが改良されていた。70年にはマーク3となるが、これはスピットファイア同様ノーズをよりスムーズにするなど外観上の変更が主としており、そのまま73年まで生産された。

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