【国道の云われ(国道461号/栃木)】日本の原風景が見られる、日本歌謡界が誇る作曲家の路
普段何気なく通っている道。会話の中で「〇〇通り」「〇〇道路」とその名を呼ぶ事はあっても、その由来や意味を深く考えたことはあるだろうか?
その意味を知ったとき、おそらくあなたは、その道を、その街を、より好きになるだろう。
栃木県日光市と茨城県日立市を繋ぐ国道461号。総延長は143.7km。
その内、大田原~日光間は江戸時代に整備された「日光北街道」とほぼ同じルートを通っている。
国道461号線
A)日光 ~ B)大田原 「日光北街道」
C)塩谷町船場 ~ D)塩谷町天頂 「船村徹ふるさとの路」
東照宮の巡礼道「日光北街道」とは?
現在の国道461号の大田原~日光間は、ほぼ「日光北街道」に沿って敷かれている。
日光北街道は大田原宿から日光東照宮へ向かう巡礼道のほか、物資の輸送路として利用され、日光市大渡~大田原間は松尾芭蕉が日光から黒羽(現在の大田原市)に移動する際に通った道とされる。
- ※この碑は国道461号線沿いではありません。
「おくのほそ道」によると、日光のお参りを終え、今市宿から大田原宿方面へ出発した芭蕉は、途中、塩谷町玉生で一泊しつつ、2日で黒羽まで歩いたという。芭蕉が泊まった玉生の屋敷跡には「芭蕉一宿の跡」の碑が立っている。
日本歌謡界が誇る大作曲家の名が付いた「船村徹ふるさとの路」
2018年2月、栃木県塩谷町は、町内を通る国道461号線に「船村徹ふるさとの路」という愛称を名付けた。船村徹は塩谷町出身の作曲家。戦後歌謡史に残る数々の名曲を生み出してきた偉業を顕彰するために名付けられた。この道の近くには船村の生家があるという。
塩谷町で生まれ育った船村は、郷土を愛し、自然を愛したことで知られている。
特に故郷の高原山への思いが強く、日本山岳会の会員でもあり、2016年に新設された祝日「山の日」を提唱したのも船村だ。
船村の遺した曲は演歌以外にも名曲が多い。NHKみんなのうたでも流れた「宗谷岬」(歌:ダ・カーポなど)、90年代に好事家によって再発見されたサイケ歌謡「スナッキーで踊ろう」(歌:海道はじめ)など、耳に残る曲が多いのが特徴だ。
日本のポップ・ミュージックのマエストロである大滝詠一によると、船村のメロディーには栃木弁がにじみ出ているという。どこか郷愁を誘うメロディーは、この故郷で、この自然の中で育まれてきたのだろう。
船村徹 プロフィール
塩谷町出身の作曲家。日本作曲家協会会長、日本音楽著作権協会(JASRAC)会長を歴任し、2016年には文化勲章を受賞。
北島三郎を見出した人物としても知られ、美空ひばり、小林旭、五木ひろし、島倉千代子などに曲を提供。2017年に84歳で亡くなるまで、生涯で5000曲を超える曲を創ってきたという。
代表曲は村田英雄「王将」、鳥羽一郎「兄弟船」、細川たかし「矢切の渡し」、美空ひばり「みだれ髪」など。
(写真提供:船村徹記念館)
国道461号にまつわるスポットを紹介
「黒羽芭蕉の館」で芭蕉について学ぶ
松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅の中で最も長く滞在したのが黒羽(現在の大田原市黒羽)だった。黒羽で多くの俳句を作り、市内にはそれにまつわる句碑も多く残る。
そんな黒羽で芭蕉と黒羽の歴史について学ぶことができるのが「黒羽芭蕉の館」だ。芭蕉についての資料や、当時の黒羽藩主大関氏にまつわる歴史資料を展示している。
- 黒羽芭蕉の館
- 住所:大田原市前田980-1
- TEL:0287-54-4151
- 営業時間:9~17時(入館は~16時30分)
- 定休日:月曜(祝日のときは翌日)、年末年始
- アクセス:北陸自動車道富山ICから車で約6分
- 入館料:大人300円、小中学生100円
- URL:http://www.city.ohtawara.tochigi.jp/docs/2013082780058/
「日本のこころのうたミュージアム・船村徹記念館」で故人を偲ぶ
「船村徹ふるさとの路」から車で約20分の道の駅「日光」日光街道ニコニコ本陣に併設された「日本のこころのうたミュージアム・船村徹記念館」では、船村が遺した数々の楽曲を、大迫力の3D映像で上映しているほか、船村が手がけた楽曲が収録されたレコードジャケット、2016年に受賞された文化勲章、ゆかりの人々の手形などが展示されている。
- 道の駅「日光」日光街道ニコニコ本陣
- 住所:栃木県日光市今市719-1
- TEL:0288-25-7771
- 営業時間:商業施設 9~18時、レストラン 11~19時(LO ~18時30分)
- 定休日:第3火曜(商業施設)
- アクセス:日光宇都宮道路今市ICから車で約5分
- 駐車場:あり
- URL:https://www.nikko-honjin.jp/
- 日本のこころのうたミュージアム・船村徹記念館
- 営業時間:9~17時(入館は ~16時30分)
- 定休日:火曜、12月29日~1月3日
- 入館料:大人540円、小・中・高校生320円
- URL:https://www.nikko-honjin.jp/about/funamuratoru
※記事内のデータは2019年2月現在のものです。掲載後に料金、営業時間、定休日、メニュー等の内容が変更になることや、臨時休業等で利用できない場合があります。また、各種データを含めた掲載内容の正確性には万全を期しておりますが、おでかけの際には電話等で事前に確認・予約されることをお勧めいたします。
[ガズー編集部]
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