浦富海岸は、鳥取県の東端、陸上（くがみ）岬から駟馳山（しちやま）までの本町の海岸線一帯、東西約15kmのリアス海岸の総称で、「山陰の松島」とも呼ばれる景勝地。日本海の荒波と風雪によって侵食された断崖、洞門、洞窟、奇岩の荒々しい景観が、澄みきった海水や岬に囲まれた白砂青松の穏やかな渚と見事なコントラストをみせる。特に網代から田後に至る『鴨ヶ磯』、『城原海岸』は、小島や岩礁が散在して海の大庭園を思わせることから、この地を訪れた文豪島崎藤村は「神秘の幽境」と絶賛。山陰海岸国立公園のなかでも優れた景勝地で、国の名勝及び天然記念物、海域公園にも指定されている。