TeamUKYO 2016年体制発表会

F1やル・マンなど世界を舞台に戦ってきた片山右京さん率いるTeamUKYOが、2016年のチームプレゼンテーションを千葉・イオンモール幕張新都心にて開催した。自転車ロードレース、スーパーGT GT300クラス、FIA-F4選手権、サーフィンなど多岐にわたるスポーツへのあくなき挑戦。世界を知る片山右京さんが目指す2016年の体制とは。

侍スピリットで挑む自転車ロードレース

2012年から発足した自転車チームは、国内戦のJプロツアーでここまで個人2回、チーム2回の年間タイトルを獲っている。5年目に挑む今年は、日本人の実力のある若手選手とヨーロッパの経験豊富なベテラン選手が加わり、新たな体制でUCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチームとして世界に挑みながら、国内のJプロツアーのチャンピオンチームとして連覇を目指す。そしてツールドフランスに代表されるヨーロッパの自転車レースを目指しているTeamUKYOにとって、ここからの一漕ぎ一漕ぎが、急坂を登るかのような厳しい道になる。監督を務める片山右京さんは「ヨーロッパの騎士道として行われている自転車レースに武士道で戦いを挑むには、チームの力だけでなく、個人の力、戦う意思や情熱が必要。日本人を育てる、日本の力でUCIプロコンチネンタルチームを目指す。僕たちのチームの若手は、侍スピリットで挑みます」と先を見据えたチームで今シーズンを駆ける。

「F1ドライバーのときはみんなに応援してもらい、今度は僕がこれから世界に挑む若手を応援する番」。世界を知る片山右京さんしかできないことがある
日本の若手を育てる。今シーズンは「侍スピリット」でチームワークはもちろん、個人の人間力、意思や情熱を育むサポートをしていく。
(左から)今井勇太選手、平井栄一選手、住吉宏太選手、片山右京監督、スーパーバイザーの今中大介さん、キャプテンの畑中勇介選手、中井路雅選手、中井唯晶選手
(左から)外国人選手はベンジャミ・プラデス選手、サルバドール・グアルディオラ選手、アベラトゥリ・ジョン選手、オスカル・プジョル選手、アラケ・ロドリゴ選手
(左上)片山右京さんの目指す道、挑む姿勢に共感し、今シーズンからパートナー企業になったイオンバイク株式会社 岡内祐一郎社長(右上)ツールドフランスに戦後初となる日本人選手で日本にロードレースのすばらしさを伝えている今中大介さん(左下)昨年Jプロツアーの個人年間チャンピオンで今シーズン、キャプテンを務める畑中勇介選手(右下)片山右京さんがリーダーを努める一般社団法人グッド・チャリズム宣言プロジェクトの代表理事の韓祐志さん。人が道とかかわるはじめての乗り物、自転車のルール順守、走行マナーの向上を促す活動を展開し、発表会でも自転車交通に関する啓蒙活動を実施した
沖縄合宿で走り込む選手たち。今シーズンよりバイクフレームがGARNEAUになるなど、新しいコンポーネントをチェックしながら走る

ニューマシンで王座奪還を目指すスーパーGT300

当サイトでコラムを執筆している谷口信輝選手、片岡龍也選手が所属する「GOODSMILE RACING & Team UKYO」ではチーム監督を務める片山右京さん。3度目となるシリーズチャンピオンを目指し、マシンは昨シーズンのメルセデスベンツSLS AMG GT3からメルセデス-AMG GT3に変更。昨年はシリーズ11位と大きく順位を落としてしまったため、チームメンバーはそのままでマシンのみ変えての参戦となる。片山右京監督は「昨年はとても悔しい思いをしましたが、今シーズンも同じ体制で戦えることには意義があると思います。チャンピオン奪還を目指します」とリベンジに燃えている。

GOODSMILE RACING & Team UKYOの今シーズンのニューマシン、メルセデス-AMG GT3の初お披露目。たくさんのファンに囲まれてのアンヴェールとなった
グッドスマイル初音ミク AMGでスーパーGT300クラス優勝を目指す(右から)片岡龍也選手、片山右京監督、安藝貴範代表、レーシングミクサポーターズの水谷望愛さん、山村ケレールさん(谷口 信輝選手は欠席)
(左上)片岡龍也選手は、GT300で優勝を目指し、今年はTOYOTA GAZOO RacingのドライバーとしてRC Fに乗りニュルブルクリンク24時間レースにも挑む(右上)「ファンと共に走るレーシングチーム」というコンセプトでスーパーGTに新たな息吹をもたらした安藝貴範代表(下)圧倒的な存在感でスーパーGTを盛り上げる片山右京監督。F1やル・マンなど世界最高峰のレースで得た戦略でGT300の王座奪還を目指す
今シーズンを戦うメルセデス-AMG GT3。毎回斬新だが躍動感溢れるカラーリングがAMGに合う
今シーズンのレーシングミクサポーターズの水谷望愛さん(右)、山村ケレールさん(左)

世界に挑む若手選手をサポート

TeamUKYOはモータースポーツや自転車レースなどにこだわらず、世界に挑む選手のサポート活動をしている。今年で4年目となる北沢麗奈選手は、プロサーファー。サポート初年度にアジアシリーズチャンピオンとなり、昨年もアジアシリーズ7戦のうち4戦で優勝し、シリーズチャンピオンとなった。2020年の東京オリンピックにサーフィンが候補に挙がっているので、現在21歳の北沢選手にとっては、種目がオリンピックに決まればもちろん選手候補。それだけに今年からのシーズンも重要になってくる。また昨年より日本でも開催されたフォーミュラカーレースの登竜門、FIA-F4に参戦し、表彰台に2度上がるも、シリーズ8位に甘んじた河野駿佑選手を今年からサポートする。カートからフォーミュラにステップアップした20歳の河野選手は、エンジニアの父親とともに幼い頃からサーキットに通っていた。スーパーGTのメカニックとしても修行を積み、今シーズンはシリーズチャンピオンを狙う。河野選手にとってもF1ドライバーだった片山右京さんと一緒にいる機会が増えることで、フォーミュラカーのドライビング指導などを吸収できる。

(左から)今シーズンからFIA-F4選手権に参戦し、チャンピオンを目指す河野駿佑選手、片山右京さん、サーフィンで昨年アジアシリーズチャンピオン、今年はさらに世界を目指す北沢麗奈選手
河野駿佑選手は2014年、鈴鹿クラブマンレーススーパーFJクラスシリーズチャンピオンを獲得。2015年はFIA-F4選手権に参戦し、2度の表彰台に。今シーズンに期待も高まる
北沢麗奈選手は、全国高校サーフィン選手権大会を2連覇し、プロ資格取得。2013年、2015年アジアシリーズチャンピオン。サーフィンもオリンピック種目候補に挙がっているだけに、となればメダルを目指せると期待のプロサーファー

2016年のTeamUKYOは、自転車レース、スーパーGT、FIA-F4、サーフィンと世界を目指し、トップを目指す選手たちとともに挑戦する。

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(写真:金子正夫・TeamUKYO)
(テキスト:寺田昌弘)

[ガズー編集部]