旧車・名車が銀座に集う THE銀座RUNイベントレポートNo.1

走ることで文化を創る。それがTHE銀座RUN

20世紀を彩ったクルマで東京を走ろうと、2012年から始まった「THE銀座RUN エシカルミーティング」。春めいてきた都心ならではの雰囲気のなか、古き良き時代のクルマが悠々と駆け抜けた。

文化イベントのひとつとしてクルマが街を走る

東京・中央区が毎年秋に区全域で文化的なモノに触れるイベント「中央区まるごとミュージアム」を主催し、そのなかの文化イベントのひとつとして往年のクルマが街を走る「THE銀座RUN エシカルミーティング」が始まった。今回は中央区だけでなく、都心の風情溢れる場所をゆっくり走ろうというあらたな試みに45台のクルマファンが集まった。クラシックカーイベントの多くは、年式が古く、グランドツーリングカーでないと参加できないといった、いくつか高いハードルがあるが、このイベントは20世紀に生産されたクルマであれば何でも参加できるといった門戸の広いおおらかなイベントだ。今回のスタートとゴールは東京プリンスホテルで、ここは昔から国内ラリーやカークラブイベントによく使われていたクルマのイベントでは由緒正しき場所だ。このホテルが3月末日から全館リニューアルのため1年間休館となることもあり、リニューアルされる前の当時の雰囲気が残っているうちに集まろうということで、3月13日(日)に開催された。

東京プリンスホテルの駐車場に続々と集まってくる20世紀のクルマたち

プリンスホテルが20世紀の優雅なクルマで彩られた

朝9時頃から駐車場に集まってくる20世紀のクルマたち。オースチンやアストンマーチン、ジャガー、MG、アルファロメオとオープンタイプのクラシックカーはもちろん、60年代を中心としたボルボや80年代後半のランボルギーニなど同じクルマを愛する仲間が何台もやってきた。またクラシックカーイベントであまり観られないアメ車も2台が参加。日本車は、60年代を中心にスバル360やホンダS600、フェアレディ、スカイラインなど美しいデザインのクルマが多い。「THE銀座RUN エシカルミーティング」の主催者は根本純さん。10代から国内ラリーに参戦し、20代で北米大陸、南米大陸を縦断し、パリ・ダカールラリーに日本人として初参戦したチームのドライバーをし、以降13回参戦して活躍した。数々のモータースポーツやテレビ取材、執筆活動などクルマとともに暮らすなかで、モータースポーツの振興はもちろん、単に速さだけでなく、クルマを所有し共に生活していくライフスタイルの魅力を喚起し、楽しむことを提案したいと考え、このイベントを始めた。

左から1956年式オースチン・ヒーレー100、1965年式MG-B、1955年式MG-A、1951年式MG TDが2台
右から1929年式オースチン7、1930年式アストンマーチン インターナショナル1、1955年式ジャガーXK140 OHC
左から1971年式ランチア・フルヴィアHF、1992年式アルファロメオ・スパイダー、1959年式アルファロメオ・ジュリエッタ スプリント、1959年式アルファロメオ・ジュリエッタ スパイダー、1959年式フィアット・アバルト750GT
もうひとつのイタリア。ランボルギーニ・カウンタック500QVが3台に1972年式ディーノ
真っ赤な1951年式MG TD。もちろんエンジンルームまでピカピカだ
日産勢は、右から1976年式グロリア、1969年式スカイラインGT-R、フェアレディ2000が2台並び、1992年式スカイラインGT-R Vspec
やはりエンジンルーム内はみな気になる。そしてエンジンやメンテナンス談義に花が咲く
1978年1月22日に東京自動車クラブ(TACS)が主催したクラシックカーフェスティバルもここで行われた
1978年のミーティングを再現して同じ場所に停めたボルボ。中央の濃紺の1959年式ボルボは、当時お父さんが乗られていて、今回は息子さんがクルマを引き継がれて乗ってきた
スタート前のドライバーズミーティング。バックに東京プリンスホテルと東京タワーがある。空が広く都心では貴重な空間だ
主催者の根本純さん。テレビ取材車のドライバーとしてアラスカから北米大陸、南米大陸を縦断し、パリ・ダカールラリーは日本人として初めて参戦したパイオニア。クルマとともに暮らすエシカルなライフスタイルを提案する伝道師である
ゼロカーは、5大陸をプリウスで縦横断し、人とクルマと自然との共生を提言する横田紀一郎さん。乗るのはトヨタ・ミライ
参加者のなかにはスパ・フランコルシャン24時間耐久レースに8年連続参戦し、パリ・ダカールラリーにも3年連続参戦した、大のクルマ好きの岡本香了さんの姿も
1929年式オースチン7のコックピット。走る、曲がる、停まるの基本は、これだけシンプルな構造でできる。メーター類がオフセットして配置されているのがおもしろい
やはりこの時代のランボルギーニ・カウンタックはスーパーカー世代のお父さんだけでなく、息子さんも興味津々
東京タワーに見守られながら、東京プリンスホテル駐車場からスタート。欧州のスポーツカーとは一線を画する、アメリカが生んだ優雅なパーソナルカー、1956年式フォード サンダーバード

(写真:横田紀一郎・寺田昌弘)
(テキスト:寺田昌弘)

[ガズー編集部]