脇阪寿一 ドライバーズコラム 第5回 参加型モータースポーツへのお誘いと、きっかけづくり

2/27NAGOYAオートトレンド2016 @ TOYOTA GAZOO Racingブースで“参加型モータースポーツトークショー「観てるだけじゃ、モッタイナイ!」”に参加し、MC黒岩唯一さん、レーシングドライバーでありモータージャーナリスト佐藤久実さんと共に、ご来場者の皆さんにモータースポーツに参加頂きたく、お話をさせて頂きました。

ですが、1ステージ30分の中では中々お伝えきれないと思いまして、ステージ上で“第5回脇阪寿一GAZOOコラム”のお題を決めさせていただきました(笑)。はい今回は「参加型モータースポーツへのお誘いと、きっかけづくり」よろしくお願いします。

今まで、日本のモータースポーツの中でスポットが当たっていたところは、F1に代表されるように、一般の方々から縁の遠い所のモータースポーツですね。
そのモータースポーツに憧れ、滅多に観られないものを何とか観てみたい、プロモーター側が特別感を売りにする様なスタイルが主流で、僕の子供の頃のF1日本グランプリは、大いに盛り上がりました。F1への憧れですね。

日本グランプリに参加するために来日したアイルトン・セナ選手が、その週、フジテレビをジャックし各番組に出演、日本中がアイルトン・セナ選手に、F1に熱狂したのを鮮明に覚えています。

時は経ち、日本でのモータースポーツ観戦の主流が、フォーミュラからツーリングカーレース、中でもスーパーGTへと移っていったのは誰もが否定できないところ。さて、これは何故なんでしょう!?

スポーツの盛り上がりは国によって違うものがあり、アメリカで熱狂的に人気があるアメリカンフットボールやバスケットやベースボール、南米やヨーロッパ諸国でのサッカー…、オーストラリア、ニュージーランドでのラグビー、
でも国が変わればそれも変わります。

それは、その国の国民性や色々な要因が影響していると考えられますが、日本の中でこれほどまでにスーパーGTが受け入れられたのは何故でしょう!?
もちろん、スーパーGTが日本のメジャースポーツと言っているわけではありません。少なくとも日本のモータースポーツ界において、スーパーGTは突出している存在です。それは何故でしょう!?

僕の中で完璧な答えは見つけられていませんが、漠然と思っていることは、親しみやすいことだと思っています。それが何か日本の国民性に合っているのだと思う。
この何故かをもっと正確に分析して、それを伸ばし、もっとモータースポーツを盛り上げたいと僕は思っています。

“親しみやすい“ これは日本においてモータースポーツを盛り上げるためのキーワード。
親しみやすくするためには、人々の生活に溶け込んだモータースポーツが必要とされますね。それを更に実現するためには、皆さんにモータースポーツに参加していただくことが一番だと僕は考えています。
いかがですか!?
“参加型モータースポーツ”です。

ですが実際は、どうやってモータースポーツに参加するのでしょう!?
僕の周りからも、そして皆さんから頂くSNSを使った質問でも、どうやったらレースができますか?子供がレーサーになりたがっているのですが、どうすればよいですか?この様な質問がたくさん寄せられます。

レースに出るレベルでなくても、どうやってサーキットで走れるの?
など、普通の生活をされている方々にはちょっと手法、“きっかけ”が見つかりにくいかもしれませんね。それはモータースポーツを始めたい方々にとって大きな壁になっているかもしれません。
ですが、この壁はあるひとつの“きっかけ”、それさえ見つければ、芋づる方式にその壁は崩壊していくと僕は思っています。

例えば、名古屋オートトレンド@TOYOTA GAZOO Racingステージをご一緒した佐藤久実さんは、大学時代に2年上の女性の先輩に、半ば無理やりラリーのレースに誘われて出場、そのレースでいきなり3位入賞したらしいです。すごいですね。さすがクミ姉!周りからは賞賛され、自分としてももっと上を目指したいと思った事が“きっかけ”になったらしいです。その気持ちでそれに向かい色々と努力すると、自ずと色々な方々に巡り会い…。

例えば、スーパーGTにトムスより出場する伊藤大輔選手は、鈴鹿の近くに住み、いつも見ていたレースに憧れたのが“きっかけ”。
僕の場合は、子供の頃から何事においても争うのが好きで、19歳の時に道上龍選手のお父さんにカートを乗ってみないか!?って勧められて乗ったのが“きっかけ”。それで初めて乗ったカートは、道上選手がその年に出場した世界選手権に使用したカートそのもの。それって最近もよくカートトレーニングに使用しますが、体感スピードはF1や今のスーパーGT500クラスに匹敵する様なもの。それはハマりますよね。

そんな“きっかけ”でレースをスタートさせたんですが、自分のスキルアップと共に色々な協力者の方々が出現し…。

最初の“きっかけ”は、カートに乗せてもらっただけだったんです。その先のレースのことなんか全く考えてなかったし、知らなかった。どうすれば!?とかは全く考えていなかった。でも、その“きっかけ”を得ることにより、自分が想像さえしなかった世界へと進んでいったんです。
もちろん僕が大切にする素晴らしい “ご縁”もたくさんありました。

別に皆さんにレースをして、頂点を目指してくださいと言いたいのではありませんよ(笑)。

佐藤久実さんや、伊藤大輔選手、そして僕を例にあげて、その“きっかけ”を説明したまでのこと、皆さんには何か“きっかけ”を見つけて欲しいと思っています。

そしてここで、皆さんにモータースポーツに参加頂く“きっかけ”のご提案です。
TOYOTA GAZOO Racingではたくさんの“きっかけ”づくりの為のプログラムをご用意しています。大人だけではなく、子供や女性の皆さんもが楽しんでいただけるプログラム。

僕らの頃は無かったですよ!自分たちできっかけを探すしか無かったんです。
ですが、今は自動車メーカーがこのようなプログラムを用意する時代、活用しない手はありませんよね。

レースもモータースポーツ、スポーツドライビングもモータースポーツです。
皆さんの環境に合った、皆さんのスキルに合わせたプログラムをチョイスして選べる時代です。さて、皆さんはどれにチャレンジしてみますか!?

お子様から女性、大人まで全てのクルマ好きが楽しめるイベントを全国で開催します。
もちろん観るコンテンツもありますが、参加型のコンテンツもたくさんあり、それに参加頂く事で一番手軽な方法で“きっかけ”を見つけていただけたら嬉しいです。

TOYOTAモータースポーツの祭典、1年間応援頂いたファンの皆様に感謝の気持ちを表す恒例の一大イベントです。
TOYOTA GAZOO Racing PARK、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVALとも、モータースポーツイベントですが、観るコンテンツの他にも、参加型のコンテンツが多数あります。是非皆さんもその参加型コンテンツに参加して、何か“きっかけ”を見つけてくださいね!

さて、ここからが一つ上のステップです。
僕が皆さんに参加して欲しい参加型モータースポーツのプログラムです。

クルマって、フルブレーキしたりスラローム走行したりすると、普段お買い物に行く時とは全く違う動きをするんですよ!その動きを体感いただきたい。
クルマを止めるブレーキング、クルマを曲げるスラローム、この基本動作から、クルマを操る喜びを感じてください。
また、フルブレーキを体感いただく事で、万が一の時にも必ず役立つと思います。
クルマを止める能力、これは一番大切なモノなんですよ。
我々プロと、素人の方々との一番の違いは、アクセルを踏み続ける勇気ではなく、クルマを短い距離で止める能力です。 それを学んでくださいね!

さぁ、このプログラムからはサーキット走行です。

自分自身でサーキット走行をしようとすると、場所によって異なりますが、各サーキットのライセンスを取得して、走行できる時間を確認して、予約して走行を行います。走行までの準備が大変ですね。トラブルの時や様々な事においても、全て自分で解決しなければなりません。サーキット走行に慣れてらっしゃる方々は、そのあたりを自分で解決できる仲間や手法、技術をお持ちかもしれませんが、僕がお誘いしている方々は、モータースポーツに参加される“きっかけ”を探されている方々、自分だけじゃなかなか無理がありますよね。

このプログラムはご自身のクルマでサーキットに来ていただき、まずは座学で基本を学び、その後、優秀なインストラクター先導のもとサーキット走行を開始、丸一日ゆっくりサーキット走行を自分のペースで行えるプログラムです。
参加費も比較的安価におさえられ、もしもの時に備えメカニックも待機しています。初めてサーキット走行をと考えられている方には最高のプログラムだと思います。サーキットをご自身で走行すると、クルマの動きが、普段のそれとは全く違うことに驚かれるでしょう!そしてそれを操る喜びを必ず感じていただけると思います。
また、スーパーGTやスーパーフォーミュラなど、普段観戦されているレースが開催されるサーキットを走る事ができれば、それは今までとは違ったレースの観え方になる事を僕がお約束しますよ!

「SUPER GTトムスチームの監督・関谷氏監修によるプログラム。本格的にサーキット走行を学びたい方から、GR Netz Cup Vitz Race、GR 86/BRZ Raceなどレース参戦に向けたステップアップを目的とした方へ、関谷氏をはじめGAZOO Racingで活躍するプロのレーシングドライバーから直接指導を受けられるのが特長です。
座学ではサーキット走行の注意点やドライビングポジション、ハンドル操作のアドバイスを行い、それに続く実技では荷重移動やコーナーリングのトレーニングを実践します。インストラクターによる同乗走行では、運転に関して新たな気づきが得られるはずです。
また、フリー走行では、座学や実技で学んだ基礎を土台に、サーキットを駆け抜ける実践練習が行えます。」

だって!これは本格的ですね。あの関谷さんからドライビング指導を受けられるのでしょう。それって、トヨタの優秀なドライバーたち、その若手の大半はトヨタのレーシングドライバー育成プログラムの出身者です。その育成プログラムは関谷さんが指導されています。関谷さんが本物のトップドライバーを育成されているわけですから、その指導を受けられるこのプログラムは…ちょっとやばいですね。ここまでいきますか!トヨタさんって感じ(笑)。
腕に自信がある方にも参加してもらいたいプログラムです。

そして、この先のプログラムはレースに出場してもらいます。
どんどん参加型モータースポーツのレベルが上がっていきますよ!
ついてきてくださいね!

actual

こちらは、クラスによって異なりますが、レースへの入門的存在です。
使用するクルマもVitzで、我々が使用するレーシングカーに比べると、皆さんが普段公道で乗られているクルマの感覚に近いドライビングでレースができます。このレースは全国にあるネッツトヨタの販売店の方々も積極的に参戦されていて、参加されたい方々もお近くのネッツ店に行っていただければ専門スタッフが対応させてもらいます。今回NAGOYAオートトレンド2016 @ TOYOTA GAZOO Racingでご一緒させていただいた

ネッツトヨタ名古屋のドライバー村井恒人さん、AREA86マスタースタッフの斎藤 さん
ネッツトヨタ中京、AREA86小牧の今井孝さん、86/BRZ Raceメカニック橋本達宏さん
ネッツトヨタ中部のドライバー神谷裕幸さん、ミッドレスAREA86マスタースタッフ杉浦俊輔さん

お近くの方々は、彼らを訪ねるのも良いと思います。
各店舗にはこのレースに参戦されているスタッフの方々や、すでに参加されているお客様がおられますから、その販売店を中心としたモータースポーツの仲間ができ、皆様を取り巻くモータースポーツの環境も絶対に向上すると僕は思います。

だんだん本格的になってきた!(笑)。でも、まだまだ参加型レースですよ!
このレースは、プロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2つのクラスに分かれます。ですから皆さんは、まずはクラブマンシリーズからですね。
クラブマンシリーズにはTOYOTA GAZOO RacingのイベントMCでおなじみ、黒ちゃんこと黒岩唯一選手が埼玉トヨペットさんからエントリー、またネッツトヨタ東京さんからは女性ドライバー塚本奈々美選手も参戦しています。

塚本奈々美選手のエントリーからもわかりますように、女性でも楽しく参加できるレースとなっています。
そしてプロフェッショナルシリーズには、チャンピオン谷口信輝選手、織戸学選手といったようなヨコハマタイヤの看板選手や、ダンロップタイヤの服部尚貴選手など、プロ中のプロドライバーが参戦していることでも有名で、今年からこのレースにネッツトヨタ東京さんから僕も参戦させていただきます。販売店の方々と共に参加型モータースポーツと、ご来店いただけるお客様にモータースポーツの楽しさや素晴らしさをお伝えするのが目的です。

ですから、皆さんもこのレースに参加し、クラブマンシリーズからプロフェッショナルシリーズにステップアップすれば、谷口信輝選手や織戸学選手、服部尚貴選手、そして私、脇阪寿一をぶち抜くことだって可能になってきます!!
いかがですか!?

僕も1度参加させていただきましたが、クルマと一体になって自然を駆け抜ける喜びと、ドライバーと道先を案内するコドライバーとのコンビネーションが醍醐味のラリー、規定をクリアーした車両で手軽に参加できます。クルマのレンタルもあり、大自然をクルマとともに感じ、駆け抜ける喜びが得られますよ!

僕の場合は、飯田章選手と共に参加しましたが、恋人と参加するのもよし、御夫婦で参加するのもよし、会社の同僚と参加するもよし、1日レースに参加し、同じ目標に向けて2人で駆け抜けると、その先には2人の関係がより強固なものになる事もありますよ。とにかくラリーで手軽に楽しんでもらいたいプログラムです。
2017年よりTOYOTA GAZOO Racingは、世界ラリー選手権WRCに復帰します。そのトヨタの参戦を前に、ご自身でラリーに参加すると、WRC観戦ももっともっと面白いモノになると思いますよ。

ざっとTOYOTA GAZOO Racingが提供する参加型モータースポーツのプログラムをご紹介いたしました。

何か参加してみようかな!?って思うプログラムがありましたか!?トヨタから、僕からのお願いです。まずは、一度何かに参加してみてください。どれかのプログラムに参加いただき、モータースポーツをご体感いただくと、皆様の中で何かもっともっとモータースポーツに入り込む“きっかけ”が見つかると思います。

我々と共にその“きっかけ”を見つけていただき、皆様によりクルマの楽しさ、素晴らしさをわかっていただける、感じていただける日が来ると、普段より頑張っている我々の努力も少し報われます。

また、このプログラムでピンとこなかった方々に対しても、手法を変え、これからもどんどん参加型モータースポーツのプログラムを提案し続けたいと思います。そちらもご期待頂けたら嬉しいです。

トヨタ自動車は、豊田章男社長の示された方向性から、もっといいクルマをつくるため、もっとクルマの楽しさを伝えるためにこれからも色々な取り組みをしていくと思います。それは全て、クルマの持つワクワク、ドキドキを皆さんに感じていただくため。それに対し我々も頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。

番外編

お台場メガウエブには Funカートライドがあります。

こちらは子供から大人まで手軽にお台場でカートに乗る事ができます。
このカートに乗る事がまた何か“きっかけ”になれば嬉しいです。

また先日、片岡龍也選手のブログで見つけましたが、

千葉県の茂原ツインサーキットで片岡選手がドライビングレッスンを開催しています。
片岡選手のファンの皆さんや、片岡選手は何故あんなに色々なカテゴリーで成績を上げているの!?と思っている方々など、ぜひ彼の指導を受けてみてはいかがですか!?
これも何かの“きっかけ”になれば僕も嬉しいです。

さぁ皆さん、僕らと一緒にもっともっとモータースポーツに入り込む“きっかけ”を見つけましょう!! 我々は、精一杯皆さんの“きっかけ”探しのお手伝いをしたいと思います。

観てるだけじゃ、モッタイナイ!
モータースポーツは参加してこそ面白さがわかります!
Shall we Motorsport!!

脇阪寿一

[ガズー編集部]