思わず二度見したくなる交通安全スローガン

全日本交通安全協会と毎日新聞社が毎年共催で募集をしている「交通安全年間スローガン」。受賞したスローガンの中には、思わずうなるような傑作もあれば、何度見返してもいまいちピンと来ないような難解で不思議な作品も……。

毎日新聞社のウェブサイトに掲載されている過去の受賞作品の中から、有名なスローガンを始め、いくつかユニークなスローガンをピックアップしてご紹介します。

定着系

「のんだら のるな のるなら のむな」

(1966年/入選/運転者向け)

「とび出すな 車は急に止まれない」

(1967年/内閣総理大臣賞/子ども部門)

「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」

(1973年/内閣総理大臣賞/運転者向け)

多くの人が知っている有名なスローガン。どれも40年以上前のスローガンですが、色あせず、強く印象に残っています。特に「のんだら のるな~」は受賞作品でないにも関わらず、すっかり定着していますよね。

ユニーク系

【子ども部門】

「キオツケロ 車はみんな怪獣だ」

(1972年/佳作/子ども部門)

「トンボのおめめでよーくみて 子リスのはやさでわたりましょう」

(1973年/佳作/子ども部門)

「くるくる車はおおいけど みるみるぼくらの目はたしか」

(1975年/佳作/子ども部門)

「わたるなと 赤い目玉が おこってる」

(1975年/佳作/子ども部門)

「『とびだし 禁止』 UFOからのおしらせです」

(1979年/佳作/子ども部門)

「そこちがう しましまマークが ついてない」

(2002年/内閣総理大臣賞/子ども部門)

特に不思議な作品が多い子ども部門。「怪獣」や「UFO」など、交通安全標語にしてはなかなか斬新なキーワードが使われています。子どもならではの世界観が生かされたスローガンが並びます。

【子ども部門以外】

「いちごはストップ みかんはちゅうい メロンは安全 さあ守ろう」

(1966年/佳作/一般向け)

「車道は川だ 渡れる橋は 横断歩道」

(1966年/佳作/歩行者向け)

「むかしむかし亀さんは ゆっくり走って勝ちました」

(1974年/佳作/運転者向け)

「夜の道 ちょっと着替えて」

(1990年/佳作/歩行者向け)

自分の子どもに言い聞かせる場面を想定しているのでしょうか。子ども部門以外もなかなかトリッキーで味わい深いワードがちらほら見えます。

流行系

「交通ルール 守って長生き 百才 百才」

(1993年/佳作/運転者向け)

「シートベルト 同乗するなら 締めてくれ」

(1995年/佳作/運転者向け)

「信号が ピカピカチュウい 止まろうね」

(1999年/警察庁長官賞/子ども部門)

「五輪だけ?二輪も四輪も お・も・い・や・り」

(2014年/佳作/運転者向け)

その時を知る人であれば、きっと分かるこの手のスローガン。交通安全スローガンに選ばれるため、“時流に乗る”のは1つのセオリーのようです。

毎日新聞社のウェブサイトでは現在、昭和41年から平成26年までに受賞したすべての作品を見ることができるようになっています。名作・珍作含め、さまざまな年代の交通安全スローガンを見比べてみるのもおもしろいですよ。

(根岸達朗+ノオト)

[ガズー編集部]