女性オーナーのアクティブライフに不可欠なランクル70

ランドクルーザーと言えば、オフロード4WD車の頂点に君臨するトップブランド。伝統のラダーフレームや強靭な足まわりが生み出す悪路走破性は世界中から高い評価を受け、多くのファンを持つ。数あるトヨタのモデルラインナップの中で、最も長い歴史を有していることでも知られている。

今回紹介する小林奈摘さんもそんなランクルファンのひとり。小林さんの愛車は平成9年式のランドクルーザーLX(HJZ77V改)。いわゆる“70(ナナマル)シリーズ”だが、ビックリするのはおよそランクルのイメージとかけ離れた女性がオーナーということ。

「高校生の時から大きい4WD車に憧れていて、前のクルマ(ムーブ)に乗っている時からずっと貯金を続けていました。知り合いのクルマ屋さんがこんなのあるよ? と紹介してくれたのが今のランクルで、めっちゃイイと思いました」

70シリーズは、ランクルのラインナップの中で「ヘビーデューティ」タイプに位置付けられ、オフロード性能に特化している。その特徴は外観にも表れていて、直線を組み合わせたスクエアなボディや、小ぶりなグリルの両端に埋め込まれた丸2灯がいかにもという雰囲気を漂わせている。小林さんが購入を決めた一番の理由はまさにこのスタイル。女性のクルマ選びという意味では、かなりの個性派だ。

「具体的にどこがどうとかじゃなく、全体の雰囲気がとにかくカッコイイです。でも女性でランクル乗っている人はほとんど見かけませんね(笑)」

ポイントとなるのが納車時に行ったカスタマイズ。「サビててダサい」カンガルーバーと社外品のバンパーは取り外し、新たに純正のバンパーを装着。フェンダーはボディをスリムに見せるために一旦取り外したが、タイヤがはみ出してしまうため、タイヤを換えるかフェンダーを付けるか悩んだ末、後者を選択。この女性オーナーとは思えないスタイリングへの並々ならぬこだわりが、小林さんの特徴だ。

またラゲッジスペースには荷物を整理するための棚を追加。その棚を車外に引き出すとテーブルとして使えるようになっている。この使い勝手を高めるための工夫は小林さんにとって必然。購入時に付いていたルーフキャリアは、立体駐車場で当たってしまう恐れがあるので取り外し、ルーフはフラットになっている。

「休日はゴルフやジェットスキー、キャンプやスノーボードを楽しんでいます。この棚はたくさん荷物を積めるように知り合いの大工さんに作ってもらったのですが、実は後部座席を倒した時に高さが合うようになっていて、フルフラットになります。まだ使ったことはないですが、車中泊もできますよ」

今年のゴールデンウィークは友人たちと山梨県の本栖湖にキャンプに行った。ラゲッジがパンパンになるまで荷物を積んだそうで、積載性能の高さに小林さん自身も驚いた。また、本栖湖で富士山をバックにランクルの写真を撮り「気分が上がりました」。秋には友人のプラドを加え、2台でキャンプに行く計画を立てているが、その際は車中泊にチャレンジしたいと目を輝かせる。

「ランクルの魅力はオン/オフどこでも走れることですね。叫びながら川を渡りましたし、山も行きました。車高が低いので傷つくのが心配ですが(笑)。次回のキャンプではまた新たな魅力が見つかると思います。軽自動車からの乗り換えですが、取り回しは車幅感覚をつかんでしまえば全然。目線が高く、ボディの見切りも良いのがその理由です」

高校生の時からの夢を実現した小林さん。「女の子がこんなクルマに乗ってきたらイヤですよね」と笑うが、その屈託のない表情からは充実したカーライフを送っていることが伝わってくる。毎日をアクティブに過ごす小林さんにとってランクルはかけがえのない相棒。同じランクルは世界中に数あれど、オンリーワンの“小林スペシャル”なのだ。

(フリーライター:ゴリ奥野)

[ガズー編集部]