冒険者が選んだ相棒、ランドローバー・ディフェンダー

ランドローバーと言えば、イギリスを代表するSUVブランド。他メーカーのSUVとは一線を画すブリティッシュな雰囲気が特徴で、違いを求める世界中のSUVファンから熱い支持を集めている。

そのランドローバーがかつて国内でも販売していたのがディフェンダー。今回の主人公・浅岡亮太さんの愛車だ。いかにもSUV的な無骨なルックスからも分かる通り、高いオフロード性能に特化したシリーズ随一のタフモデル。浅岡さんのディフェンダーは1997年式の「90（ナインティ）」で、3.9リッターのV8エンジンを積む。駆動方式はもちろん4WDだ。

浅岡さんは社会人2年目の25歳。ディフェンダーが初めての愛車ということを考えると、かなり通好みのチョイスということができるが、なぜこのクルマを選んだのだろうか？

「ディフェンダーはどこを走っていても冒険しているような気持ちにしてくれるクルマ。4WDに乗るならディフェンダーと決めていました」

浅岡さんは学生時代、大学を休学して世界中を旅したほどの冒険好き。今でも週末になると人の手が入っていない秘境へ出かけ、斧で薪を割る本格的なキャンプを楽しんでいる。冒険心あふれる浅岡さんにとって、冒険を形にしたようなディフェンダーはオンリーワンの存在。人とかぶらないところや硬派なイメージも購入を決めた理由だ。

昨年の10月、ランドローバーの専門店でディーゼル車とガソリン車の2台を試乗し、走りの気持ち良さが気に入りガソリン車を選択。購入後、どこにでも行けるイメージを強調してくれるシュノーケル（タテに向かって伸びる煙突のような部品）を装着。さらに後部座席の床を板張りに変更し、斧や薪を積む荷室として使用している。現在の走行距離は2万8000km。購入時の走行距離は1万3000kmで、1年足らずで1万5000kmも走っている計算になる。

「毎週末キャンプで、遠出が多いですから。クルマというより相棒という感じで、『どこに行くにも一緒に行こうぜ』という気持ちになりますね。先日も岐阜までキャンプに行きました。高さはありますが、幅も長さもそれほどではないので意外と乗りやすいですよ」

実質的に2人乗りなので、ディフェンダー1台でキャンプに行く時は彼女と一緒、友人たちと行く時は複数台に分乗して目的地に向かう。ディフェンダーの燃費は決して良くはないが、その分頑張ろうという気持ちになるので苦にならない。また、現代のクルマと比べて故障も多いが（助手席の窓がいきなり落ちたこともある）、その分愛着もわく。浅岡さんの実家は古いヨーロッパ車を扱う専門店（アウトレーヴ）なので、自分でできない修理は、アウトレーヴに相談できるのもポイントだ。

「アウトレーヴは母が代表を務めるショップです。古いイタリア車やフランス車がメインですが、イギリス車はダメというわけではありません。落ちた窓もアウトレーヴで直してもらいました。他にもクルマがガタガタと揺れることや音が出たりすることがありますが不安はありません。走ってくれればいいやという感じですね」

今後はホイールのカスタマイズを検討中。いかにも4WD的な鉄チン風のものに交換する予定で、昔の良さを残しながら乗るつもりだ。また、何がどう壊れても添い遂げる予定で、手放すことは一切考えていない。

冒険者・浅岡さんの唯一無二の選択肢、ランドローバー・ディフェンダー。登録されてからすでに20年経っているが、浅岡さんとの歴史は、まだ始まったばかり。一生涯の相棒を誓ったオーナーのもとで、大車輪の活躍を見せてくれることだろう。

（フリーライター：ゴリ奥野）

[ガズー編集部]