GAZOO写真教室 4限目　こんな撮り方もある！ポイントを絞り込んで撮影しよう! 　～クルマをかっこ良く撮りたい！こそっとスキルアップ！～

今回は撮影テクニックではなく、もっと根本的な部分について考えてみましょう。僕がレース写真を撮り始めたのが、今から35年前の1981年。その頃は、レース写真を撮ることが楽しくて、何も考えずシャッターを切っていました。最初は誰でもそうだし、間違っているとも言いません。ただ、もう一歩踏み込んで撮影すると、楽しさが広がっていきます。簡単に言えば、常に何を撮るのかを決めて撮影する。と言うことです。

35年のカメラマン生活の中で、４年間弟子入り生活をした時期がありました。その時の師匠は、撮影テクニックなどは一切教えてくれず、代わりに撮影の心構えというか、最も大切で根本的なことを教えてくれました。それが「その時間にどのコーナーに行って、誰の写真を撮るのかを決めてから行きなさい」でした。

この時間イコール太陽の加減、どのコーナーは光線の向き、ここまではわかるのですが、全てのドライバーではなく誰を撮りに行くのか？ なぜ、そこまで決めなければいけないのだろうか？と考えていました。SUPER GTのLEXUS RC Fを事例にお話したいと思います。

作例で言うと、こちらの作品は、インリフトしているところを撮っています。

これは、全ドライバーができることではないのです。あらかじめアンドレア・カルダレッリ選手と話して、撮りに行っています。

こちらの写真は関口雄飛選手を撮ったもので、微妙外側のラインを走るので、水しぶきが上がりやすい選手だから撮影しました。

こちらの写真はバックをシンプルにした場合、一番目立つのが38号車だと思えたので38号車を狙ってみました。

師匠の言う通り撮影対象を絞り込むこととで、よりその人らしさ、そのマシンが似合う風景など、一歩深い写真になるのだと痛感しました。

もちろん、こちらの37 号車ように、シャッタースピードを落として動感を出す。

こちらのように、バックに小さなものや光るものを置いてスローの効果を上げる。

下の写真のように光る路面を主役にする。

トップ争いでも、縦の争いより横の争いの方が伝わると感じたのでこのアングル。と言った写真でも、ちゃんと撮影した理由があれば良いと思います。

できるだけ対象を絞り込んだ方が撮れた時の満足度も高いし、より撮影が楽しくなると思います。試してみてください！

(写真、テキスト 折原弘之)

[ガズー編集部]

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