【世界の愛車紹介タイ編】カスタマイズを楽しむオーナーが所有する380psの86

久々に登場したトヨタのスポーツカー、86。2012年のデビュー以来、日本では5万台以上を販売。スポーツカーが盛り上がるきっかけを作りました。それを実現した理由のひとつがカスタマイズの隆盛。サードパーティーからたくさんのパーツがリリースされ、多くの86オーナーが、自分だけの1台を作る楽しみを味わっています。
そんなパーツの豊富さにひかれ、86を購入したのがポックさん。“ストリート系チューニング”をコンセプトに、積極的にカスタマイズを楽しんでいます。最大の見どころはエンジン。なんと2.3リッターのターボ仕様が搭載されているのです。

ダックテール形状のリアスポイラーと赤いテールランプが特徴的

FA20をベースに、トラストのターボチャージャー(T620Z)やHKSのフラッシュエディターなど、日本でもおなじみのパーツを装着。ピストン、コンロッド、クランクなどのエンジンパーツも交換済みで、これからの作業は86チューナーとして知られるインジェクション・クラブ・サービスで行いました。パワーはブースト1.2K時に380psを発揮。FA20のノーマル(日本仕様の前期)は200psなので、180psものパワーアップです。

トラストのターボ(正面下側)が取り付けられたエンジンルーム。ブルーを多く用いたコーディネイトもオシャレ
ブルーのグラデーションが目をひくマフラー

また、足まわりにも注目。TRDの車高調整式サスペンションやスタビライザー、クスコのサスペンションアームなどを組み込み、コーナリング性能をアップ。さらにAPレーシングのブレーキキャリパー(前6ポット、後4ポット)を装着し、増大したエンジンパワーに負けないストッピングパワーを獲得しています。

リアサスペンション部。黄色いパーツはTRDのサスペンション&スタビライザーです
ホイールは日本でも人気のレイズ(グラムライツ)。巨大なAPレーシング製のキャリパーとローターが見えます

日本でもエンジンまでチューニングした86がたくさん走っていますが、ここまで作り込んでいるクルマはなかなかお目にかかれないはず。ポックさんの走る・曲がる・止まるというクルマの基本性能に対する強いこだわりを感じずにはいられません。
また、エクステリアにもプロが仕立てたようなセンスを感じます。前後バンパーはジアラ、ダクト付きのボンネットとリアスポイラーはチャージスピードと、特定のブランド同士を上手にコーディネイト。適度にローダウンされた車高とあいまって、高いまとまりを見せています。フロントグリルからのぞくインタークーラー(ターボ車専用の装備)も、ただ者ではない雰囲気を醸し出しています。

ボンネットはチャージスピードのカーボン製。エンジンの熱を排出するダクト付き
トランクルームにサブウーハーを設置。お気に入りのミュージックを流しながらドライブを楽しんでいます

ポックさんは日常の足としてクルマをもう1台持っていますが、休日のお供はいつも86。ミーティングやクラブ主催のサーキット走行に参加し、カーライフを満喫しています。
エンジンパワーを大幅に上げた場合、街中で乗りづらくなるということもありますが、無理なく乗れるのは高い完成度の証。86の魅力のひとつであるカスタマイズのしやすさが、海を越えて、多くの人に受け入れられているということですね。

Pakorn suksamran(パコーン スックサンラーン)
タイのライター兼編集者。普段からクルマ系記事を中心に担当しており、「Option thailand」等でも執筆経験あり。

[ガズ―編集部]