その美しさにひと目惚れ。オフ会を企画するきっかけにもなった2010年式プジョー・RCZオーナーの充実カーライフ

今回、紹介する男性オーナーは、プジョー・RCZ(以下、RCZ)に惚れ込むあまり、オフ会まで立ち上げてしまった人物。大勢のオーナー仲間とともに楽しむ充実のカーライフと、RCZへの想いにせまってみたい。

RCZの流麗なスタイルは、街中に佇んでいるだけでも目を惹く。AピラーからCピラーにかけて美しく弧を描くアルミナムアーチの存在感と、シート直上の屋根にもたせた2つの丘のようなダブルバブルルーフが、他のクルマにはない美しさと個性を表している。2007年にフランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカー「308 RCZ」を経て2010年にデビュー。プジョーにとっては初のスポーツクーペだった。6 AT(右ハンドル)と、6 MT(左ハンドル)の2モデルをラインナップし、2015年まで生産された。

ボディサイズは、全長×全幅×全高:4287×1845×1359mm。駆動方式はFF 、1.6リッター直4ターボエンジンは、6 ATで156馬力、6 MTで200馬力を発生する。

オーナーの所有する個体は6MTで、「人生初の輸入車」とのこと。2010年に新車で購入し、現在オドメーターは5万5000キロを刻んでいる。果たしてどんな出会いだったのか、さっそく伺ってみた。

「はっきりいって、ひと目惚れでした。ある日、コンパクトな欧州車でも探しに行こうかとディーラーへ向かう途中、偶然走行中のRCZを見かけて、そのカッコ良さに目を奪われました。そしてディーラーに着くと、RCZがそこに鎮座しているではありませんか。私の地元にある欧州車ディーラーは、ジャガーやシトロエン、プジョーを扱っていて、その日にタイミング良く試乗車が入っていたんです。運命を感じましたね。試乗車はATでしたが、歴代の愛車はほぼMT。もちろん今回もMTモデルを『指名買い』しました。商談はトントン拍子に進みましたが、実は予算オーバーで…。でも、勢いで購入してしまいました」

そんなオーナーの、クルマ好きの原点を辿ってみよう。

専門学校時代、周囲にクルマ好きが多かった影響から自然と好きになったという。愛車遍歴はFRのMTモデルがほとんどで、日産・シルビア(S13型)、トヨタ・MR2(SW20型)、トヨタ・イプサム(初代)、トヨタ・アルテッツァ(XE10型)、スバル・レガシィB4(BL5型)を乗り継いできた。

「アルテッツァは正式発表前に購入しました。地元では納車一番乗りだったんですよ。その前のイプサムは落ち着こうと思い選んでみたのですが、やはりスポーツモデルが好きで戻ってしまったんです(笑)」

根っからのスポーツカー好き、そんなオーナーとRCZに対する家族の反応は?

「妻はクルマに対してほとんど興味がないようで、例えばマフラーを交換したいと話を持ち掛けると『ついてるからいいじゃん』と辛辣な返事をされます(笑)。ただ、カタチから入るのは好きみたいで、フィアット・500やアルファロメオ・4C、アストンマーチン・DB11を好んだりしますね。完全に理解を示してくれているわけではないですけど、妻なりに好きなクルマはあるようです。ただ…妻のいいなと思うクルマはちょっと現実味がないものばかりでして(笑)」

惚れ込むと実車を見る前に購入するほどの行動力を持つオーナー。彼の人生観を変えた1台とは?

「シルビア(S13型)かもしれないです。無理をしてQ'sの 後期型を新車で買いました。ボディカラーはスーパーブラックだったかな?あの頃は魅力的なクーペが多くて良い時代でしたね。学生時代にアルバイトをしながら維持した、思い出の1台です。シルビアに乗ってから『走って楽しいクルマ』が好きになりました。山道を気持ちよくドライブでき、交差点を曲がるだけでも楽しい。速くなくてもいいんです」

学生時代に愛読していた自動車誌は?

「免許を取ったばかりの頃は、月刊自家用車のような自動車誌を愛読していました。シルビアに乗って走りに興味を持つと、Option誌を筆頭にチューニング誌を読むようになりました」

RCZを手に入れてから、心境や生活に変化はあったのだろうか。


「ずばり、オフ会を主催するようになったことですね。四国のRCZオーナーさんが『関東に行くからオフ会やらない?』と連絡をくれたことがオフ会を主催するようになったきっかけです。みんカラ(カーライフSNS)も始めたので、全国に仲間ができましたね。遠くは岡山まで行ったことがあります。高速料金が1000円だった時期には、四国在住のRCZオーナーが関東へ頻繁に来てくれていたこともありました。今思えば、自分でオフ会を主催するなんて予想もしていなかったですし、このRCZに出会わなければありえなかったですね。今でも繋がりのある仲間がたくさんいます」

オーナーが主催するRCZのオフ会に参加している年齢層について伺ってみた。

「初期は40~50代のメンバーが多かったんですが、中古車を手に入れた20代の若いオーナーも見かけるようになりました。パーツをDIYで加工して、自分だけの1台を造って楽しむオーナーを見るとうれしくなりますよね」

あらためてオーナーのRCZを眺めてみよう。車高も程良く落ち、サイドのデカールは主張するよりも車体に馴染みながらレーシーな雰囲気を漂わせていて、本当に美しい。どのようなモディファイが施してあるのだろうか?

「純正オプションはナビだけですね。ダウンサスはH&R製、マフラーはREMUS製、ブレーキパッドはお世話になっているショップのオリジナルです。リアディフューザーは他のオーナーから譲り受けました。ボディサイドのデカールはRCZ乗りの友人に作ってもらったものですが、ディーラーの方が純正品と間違えるほどの完成度を誇ります。RCZオーナーの中には社外品のオーバーフェンダーを装着する人もいます。オーバーフェンダーを装着したRCZもありだと思いますが、私はオリジナルのスタイルが好みですね」

それでは、RCZでもっとも気に入っているポイントは?

「リアフェンダー、リアガラスの造形ですね。第25回国際自動車フェスティバルで『もっとも美しいクルマ』に選出されたこともあります。同じくらい気に入っているポイントが、パワフルな走りです。この6MTで200馬力。ちなみに特別限定車のRCZ-Rは、270馬力を発生します」。

輸入車というと、日本車よりもトラブルがあるように思われがちだ。ずばり、故障はあるのだろうか?

「個体差があると思うので一概にはいえませんが、私のRCZは壊れますね(笑)。水温センサーはリコール対応後に壊れたのも含めて2回、燃料高圧ポンプ、タービン用のウォーターポンプも交換しています。イグニッションコイルはいきなり壊れることも…。RCZおなじみのトラブルなので、予備のイグニッションコイルを積んでいるオーナーもいるほどです。しまいにはエンジンチェックランプの点きっぱなしに慣れてしまい、逆に消えると違和感をおぼえてしまうようになりました…。タイミングチェーンが伸びてしまうのも定番のトラブルです。最初はディーラーで診てもらっていましたが、今は大勢のプジョー仲間がお世話になっているショップが主治医になりました」

RCZは比較的新しい車種ではあるが、絶版モデルとなった今、部品の供給状況はどうなのだろう?

「部品の欠品はないようですが、国内に在庫がないときは取り寄せになるそうです。ウォーターポンプが壊れてしまったオーナーが、取り寄せ待ちになったケースがあります」

最後に、今後愛車とどう接していきたいかを伺った。

「ずっと所有していきたいという気持ちがありつつも、RCZはFFなので、もう一度FR車に乗りたいとは思いますね。そんなこともあり、いつか手放すかもしれない…と考えてしまいます。でも、非常に気に入っているので、できるかぎり大切にしていきたいですね」

この先、例え手放すことがあっても、ひと目惚れしたクルマとの日々はかけがえのない記憶として、オーナーのカーライフを彩っていくに違いない。唯一無二の美しさを持つRCZと、末永く走り続けてほしいと願わずにはいられない。

(編集: vehiclenaviMAGAZINE編集部 / 撮影: 古宮こうき)

[ガズー編集部]

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