【三菱 アウトランダーPHEV Sエディション 試乗】ビルシュタインの恩恵で走りは欧州風味…諸星陽一
マイナーチェンジの内容はPHEVの特性を見直したことが最大のポイント。EV走行領域の拡大、エンジン始動性の改良による急加速時レスポンスの向上、EVプライオリティモードの追加、充電時間の短縮などに加えて、足まわりのリセッティング、パーキングブレーキの電動化なども行われた。
さらに衝突安全機構については従来のミリ波レーダーからカメラ&レーザーレーダー方式となり性能を向上。前方車両に対しては5~80km/h、歩行者に対しては5~65km/hで作動するようになったほか、駐車場からバックで出庫する際などに後側方からの接近車両を検知する機能も追加された。
試乗車は追加設定された「Sエディション」。最大の特徴はショックアブソーバーをビルシュタインとしたこと。ショックアブソーバーの減衰力をアップしていると同時に、スプリングレートもアップ。スタビライザーは基準車と同様となっている。乗り味は固めた足まわりらしいしっかりとしたもので、60km/h付近を超えてからの安定感の高さは気持ちよくまた安心感がある。
スプリングレート、減衰力ともにアップしているので、路面の不整などは拾いやすく、乗り心地はちょっと固めの印象。クルマ好きには気にならないレベルの固さだが、「最上級グレード」が欲しくて買ってしまうとちょっと乗り心地に不満がでるかも知れない。
おもしろかったのはパドルスイッチでブレーキ回生量を変更した際の動き。「B5」や「B4」といった回生量の多いモードでは、アクセルのオンオフに対してクルマが敏感に荷重を移動する。このときに足まわりが固いのでその動きを吸収できずクルマが突っ張ったようになってしまう。快適な乗り味を求めるなら回生量は少なめで乗ったほうがいいだろう。
パワートレーン関連であった大きな動きは「EVプライオリティモード」と呼ばれる走行モードが追加されたこと。とくにプライオリティには大きな意味はなく、いわゆるEVモードである。バッテリー充電量がたっぷりある状態で、アクセルを踏み込んで行ったところ80km/hあたりまでは余裕でEVのまま走り続ける。エンジンが始動するか否かは、速度だけでなく、アクセルの踏み込み量や踏み込み速度なども関係しているようだが、かなり高い速度までEV状態で走れるようになっている。
そのほか、回生時のバッテリーへの充電効率も上がっているようで、以前に比べると充電容量が上がってくる速度が速い。パワートレーンについては、細かい部分を含めて、確実に進化を続けていて、変更があるたびに楽しみになってくる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
さらに衝突安全機構については従来のミリ波レーダーからカメラ&レーザーレーダー方式となり性能を向上。前方車両に対しては5~80km/h、歩行者に対しては5~65km/hで作動するようになったほか、駐車場からバックで出庫する際などに後側方からの接近車両を検知する機能も追加された。
試乗車は追加設定された「Sエディション」。最大の特徴はショックアブソーバーをビルシュタインとしたこと。ショックアブソーバーの減衰力をアップしていると同時に、スプリングレートもアップ。スタビライザーは基準車と同様となっている。乗り味は固めた足まわりらしいしっかりとしたもので、60km/h付近を超えてからの安定感の高さは気持ちよくまた安心感がある。
スプリングレート、減衰力ともにアップしているので、路面の不整などは拾いやすく、乗り心地はちょっと固めの印象。クルマ好きには気にならないレベルの固さだが、「最上級グレード」が欲しくて買ってしまうとちょっと乗り心地に不満がでるかも知れない。
おもしろかったのはパドルスイッチでブレーキ回生量を変更した際の動き。「B5」や「B4」といった回生量の多いモードでは、アクセルのオンオフに対してクルマが敏感に荷重を移動する。このときに足まわりが固いのでその動きを吸収できずクルマが突っ張ったようになってしまう。快適な乗り味を求めるなら回生量は少なめで乗ったほうがいいだろう。
パワートレーン関連であった大きな動きは「EVプライオリティモード」と呼ばれる走行モードが追加されたこと。とくにプライオリティには大きな意味はなく、いわゆるEVモードである。バッテリー充電量がたっぷりある状態で、アクセルを踏み込んで行ったところ80km/hあたりまでは余裕でEVのまま走り続ける。エンジンが始動するか否かは、速度だけでなく、アクセルの踏み込み量や踏み込み速度なども関係しているようだが、かなり高い速度までEV状態で走れるようになっている。
そのほか、回生時のバッテリーへの充電効率も上がっているようで、以前に比べると充電容量が上がってくる速度が速い。パワートレーンについては、細かい部分を含めて、確実に進化を続けていて、変更があるたびに楽しみになってくる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
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