【VW ポロGTI 試乗】ドライバーが“その気”になって初めて「本気のGTI」が見える…岩貞るみこ

VW ポロGTI
攻撃色に包まれた運転席である。赤。それも遠慮なく大胆な広さに赤が使われている。硬く無機質すら感じさせる色合が、攻撃的な気持ちに少し火をつける。運転席に座った瞬間から、日常のスポーツは始まっているのだ。

採用されたのは、MTではなく6速DCT。シフトレバーの左側(助手席側)にあったモード切り替えスイッチは、右ハンドルに合わせて右側(運転席側)に移され、操作性は向上している。ただ、この位置にあると運転しながらでは、直接、見ることができないため、手探りでスイッチを押すことになる。ほかのスイッチといっしょにタテに並んでいることから、指で触れたときにわかるよう、凹凸をデザインして欲しかったところだ。

GTIというと、アクセルを踏んだ瞬間から、さぞや刺激的な加速を…と期待したものの、ノーマルモードのままでは、ちょっとトルクが薄くて「こんなものなの?」と期待外れ感が否めない。先日、標準の『ポロ』の試乗記でも書いたけれど、ノーマルモードのシフトタイミングがエコ寄りになっていて、どうも力強さに欠けるのである。

もちろん、スポーツモードに切り替えれば、腹に響く排気音とともにぐぉっと加速してくれる。でも、GTIなんだもの、ノーマルモードでもっとがんばってほしかったな、と、思いつつ、アクセルをちょいっときばって踏み込んでみたら、おお! いきなりのド加速。もりもりと感じられるトルク感。これがさっきまでの、お人好しのGTIなのかとインパネを二度見して、ノーマルモードであることを確認してしまった。

そうか、GTIは、ただぽかんと口を開けて走っていても、スポーティさは披露してくれない。ドライバーがその気になり、いくぜとばかりにアクセルを踏み込まないと、本気のGTIらしさは見せてくれないのだ。ドライバーの気持ちを受け止めてくれる加速と、硬めでもじわりと路面の表情をなぞるようなサスペンション。一方的に頼るだけでなく、お互いを高めあえるクルマなのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

(レスポンス 岩貞るみこ)

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