【メルセデスベンツ Aクラスディーゼル 新型試乗】トルクフルで“余裕のよっちゃん”な走りに免じて…岩貞るみこ

メルセデスベンツ Aクラス ディーゼル(A200d)
2リットルのターボ付ディーゼルエンジンを搭載した『Aクラス』である。最大トルクはエンジン回転数が1400回転のときから。つまり、アクセルにちょんと右足の重さが伝わったくらいなので、最初の走りはじめからあっという間にぐいぐいと加速する。

いや、ぐいぐいはちょっと違うな。もっと軽い印象。軽やかに飛び跳ねるように、と言った方が正しいかも。8速ATとの相性もすばらしく良く、余力を残しながら余裕のよっちゃん(古い)で、一気に高速域まで駆け上がる気持ちよさである。


この軽快感は、加速感だけからくるものじゃない。手になじむステアリングの握りの太さ(細さ?)や、ボディサイズのコンパクトさともうまくバランスしていて、とにかく乗りやすい!

Aクラスは、運転席まわりの操作系コンセプトが一気に変わり、世の中のデジタル化についていけない私が右往左往しても、相変わらず「Hi, Mercedez」と声をかけて希望する操作を伝えても意思の疎通がうまくいかなくていらっとしても、これはこれでいいのだ。きっと、時間をかければ、二人三脚もうまくいくようになるだろう。


ディーゼルエンジンで気になるのは音だけれど、運転席にいる限り、信号待ちのあいだもガラガラ音はほとんど気にならない。というか、ディーゼルであることを忘れてしまうほど遮音はしっかりとされている。外に響く音については、他車では、夜にディーゼルエンジン搭載車が停車していると、宅配便がきたのかと間違うこともあるけれど、Aクラスはそのあたりもほどよく抑えられている。

唯一、気になるといえば、運転中に遠くのほうから、ゴロゴロ音がしてくることか。よく言えば、大型ネコ科動物、悪く言えば、おじさんのイビキ。ディーゼルエンジンのがんばる音が、私の鼓膜を揺らしてくるのだ。これ、一回気になりだすとずっと耳についてしまうけれど、ディーゼルのトルクフルな走りに免じて許しちゃえるかな。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

(レスポンス 岩貞るみこ)

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