【マツダ3 新型試乗】マツダが“オンリーワン”になれる日はそう遠くない…九島辰也
◆日本車もここまできたか!改めて感心するボディカラー
ようやく『マツダ3』のちゃんとした試乗ができた。前回はクローズドエリアで、低速での乗員に対する慣性モーメントの減少を体験しただけだったので、この日を待っていた。
用意されたのは「マツダ3 ファストバック 20S プロアクティブ ツーリングセレクション」。エンジンはスカイアクティブG 2.0で6速ATを組み合わせる。駆動方式はFWD。ボディカラーはマシーングレープレミアムメタリックだった。光によっては濃淡が綺麗に現れるアレだ。日本車もここまで来たかとつくづく感心させられる。お見事!
ドライブコースは都内から横浜経由で三浦半島を一周するというもの。おおよそ高速道路の占める割合は多いが、逗子からは海岸線の一般道を南下。市街地での使い勝手も試してみた。
◆広いキャビン、硬めの乗り心地
乗り込んでまず思うのはキャビンの広さで、助手席との間隔もあり通常の2リットルクラスのハッチバックといった感は薄い。もう少しゆったりした空間を楽しめる。とはいえ、クルマの車幅感覚などはつかみやすく、海沿いの細い道でのすれ違いにそれほど気を遣うことはない。いまどき1800mm以下は希少かも。
操作系のフィーリングは最近のマツダ車そのもので、特にマツダ3用にエッセンスが加わったという感じは受けない。ステアリングフィールの上質さはマツダ車の目指すところで、スポーティな反応と動きを担保しながら上のクラスの仕上がりとなる。かつてのような車体からの振動がそのまま伝わるようなザラつき感はない。ただ、もう少しズバッとダイレクトな感覚を欲しがる人もいるだろう。車格からしてそれも悪くない。
乗り心地は少し硬めで、小さい段差が続くと少しバタバタが続く。横浜横須賀道路のような整地された路面では何ら問題ないが、その周辺の山間を抜けるここ数十年手が入っていないような路面だと身体が揺さぶられた。ただ、扁平率45の18インチとわかれば許容範囲。17インチでこの感覚だと少々問題があるが、このレベルならいいだろう。というか、逆に17インチは乗り心地が相当いいかもしれない。
◆長く走るほど身体に馴染む
3時間くらいのテストドライブだったが、乗っている時間が長くなればなるほど身体に馴染むのもマツダ3の良さかもしれない。高速域での操縦安定性は確かだ。そんなことを感じながら走ると、このクルマだけのクセは薄いとも言える。昨今のマツダテイストを忠実に再現している分、ブランドとしての味付けが施される。
もっと進化して欲しいのはダッシュボード周り。このところのプレミアムブランドはモニターを効果的に使ってインテリア全体のデザインをシンプルかつ自由にしている。もちろん、このクルマのプライスタグからするとコスト的にもかなり厳しいだろうが、かっこいいスタイリングと上質の走りがここまでくれば、次はその辺をブレイクスルーしてもらいたい。そうすれば、マツダがオンリーワンになれる日はそう遠くない気がする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
(レスポンス 九島辰也)
ようやく『マツダ3』のちゃんとした試乗ができた。前回はクローズドエリアで、低速での乗員に対する慣性モーメントの減少を体験しただけだったので、この日を待っていた。
用意されたのは「マツダ3 ファストバック 20S プロアクティブ ツーリングセレクション」。エンジンはスカイアクティブG 2.0で6速ATを組み合わせる。駆動方式はFWD。ボディカラーはマシーングレープレミアムメタリックだった。光によっては濃淡が綺麗に現れるアレだ。日本車もここまで来たかとつくづく感心させられる。お見事!
ドライブコースは都内から横浜経由で三浦半島を一周するというもの。おおよそ高速道路の占める割合は多いが、逗子からは海岸線の一般道を南下。市街地での使い勝手も試してみた。
◆広いキャビン、硬めの乗り心地
乗り込んでまず思うのはキャビンの広さで、助手席との間隔もあり通常の2リットルクラスのハッチバックといった感は薄い。もう少しゆったりした空間を楽しめる。とはいえ、クルマの車幅感覚などはつかみやすく、海沿いの細い道でのすれ違いにそれほど気を遣うことはない。いまどき1800mm以下は希少かも。
操作系のフィーリングは最近のマツダ車そのもので、特にマツダ3用にエッセンスが加わったという感じは受けない。ステアリングフィールの上質さはマツダ車の目指すところで、スポーティな反応と動きを担保しながら上のクラスの仕上がりとなる。かつてのような車体からの振動がそのまま伝わるようなザラつき感はない。ただ、もう少しズバッとダイレクトな感覚を欲しがる人もいるだろう。車格からしてそれも悪くない。
乗り心地は少し硬めで、小さい段差が続くと少しバタバタが続く。横浜横須賀道路のような整地された路面では何ら問題ないが、その周辺の山間を抜けるここ数十年手が入っていないような路面だと身体が揺さぶられた。ただ、扁平率45の18インチとわかれば許容範囲。17インチでこの感覚だと少々問題があるが、このレベルならいいだろう。というか、逆に17インチは乗り心地が相当いいかもしれない。
◆長く走るほど身体に馴染む
3時間くらいのテストドライブだったが、乗っている時間が長くなればなるほど身体に馴染むのもマツダ3の良さかもしれない。高速域での操縦安定性は確かだ。そんなことを感じながら走ると、このクルマだけのクセは薄いとも言える。昨今のマツダテイストを忠実に再現している分、ブランドとしての味付けが施される。
もっと進化して欲しいのはダッシュボード周り。このところのプレミアムブランドはモニターを効果的に使ってインテリア全体のデザインをシンプルかつ自由にしている。もちろん、このクルマのプライスタグからするとコスト的にもかなり厳しいだろうが、かっこいいスタイリングと上質の走りがここまでくれば、次はその辺をブレイクスルーしてもらいたい。そうすれば、マツダがオンリーワンになれる日はそう遠くない気がする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
(レスポンス 九島辰也)
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