【BMW M135i 新型試乗】「さぞやスパルタンな…」という予想はいい方向に裏切られた…島崎七生人
F40型最新『1シリーズ』導入のタイミングで、最強版『M135i xDrive』の試乗が早くも叶った。新型の走りの世界観の奥行きの深さは、FFモデルだけで判断しないでほしい……そんなメッセージとも受け取れた次第だ。
写真からもおわかりいただけるはずだが、試乗は時おり雨足も強まるなか、短時間だったが主として郊外の一般道と自動車専用路を選んで走ってみた。すると、まず印象に残ったのは乗り心地が非常にいいことと、安定感が高いということ。
◆いい方向に裏切られた“やわらかさ”
別に乗った「118i」が軽快だったから、さぞスポーツ方向に振ったタイトな足回りだろう……と想像していたのだが、実際には想像以上に路面にも人にも当たりがやわらかい。やわらかいと言うと語弊があるなら、路面の継ぎ目などを通過しても、不快感のある身構えるようなショックが伝わってこないと言い換えてもいい。
高性能を求めつつも洗練されたマナーのサスペンションと高剛性ボディとの組み合わせは完璧で、コンパクトな“1”であればさぞやスパルタンな……の予想はいい方向に裏切られた。
安定感でいうと、4輪の接地感が、いかなる場面でも失われそうにないことも印象的。屈曲路でも思いのままにアクセルを踏み込んでいられ、ステアリングを切れば思いのままに切り込んでいける。その間の駆動力の伝わりかた、クルマの挙動にまったく破綻がないことが掌(身体)に伝わるのも非常に気持ちがいい。
もちろんそれらは、駆動力やブレーキを制御する各種デバイスが働いてのことだろうが、あくまで裏支えであり、人工的な制御感のない自然さなのがいい。
◆胸のすくパワー感、スッと受け止めてくれるシートもいい
搭載エンジンは306ps/45.9kgmのハイスペックの2リットルDOHCターボで、これにステップトロニック付き8速ATの組み合わせ。このパワーユニットも前述の身体能力の高さに見事にマッチしたパフォーマンスを発揮してくれる。
低速でも気難しさはまったくなく扱いやすいし、エンジン回転を上げていくと、今度は快音を加えながら、アクセル操作にシャープに呼応しながらの胸のすくパワー感を楽しませてくれた。
着座するとスッと身体を受け止めてくれるシートもいい。最新の『3シリーズ』も同様だが、願わくば液晶表示のメーターに“オーセンティックな丸型盤面の2眼式アナログメーター”の描写も選べるようになれば、見やすく、BMWで駆け抜けている感がより感じられるようになると思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
写真からもおわかりいただけるはずだが、試乗は時おり雨足も強まるなか、短時間だったが主として郊外の一般道と自動車専用路を選んで走ってみた。すると、まず印象に残ったのは乗り心地が非常にいいことと、安定感が高いということ。
◆いい方向に裏切られた“やわらかさ”
別に乗った「118i」が軽快だったから、さぞスポーツ方向に振ったタイトな足回りだろう……と想像していたのだが、実際には想像以上に路面にも人にも当たりがやわらかい。やわらかいと言うと語弊があるなら、路面の継ぎ目などを通過しても、不快感のある身構えるようなショックが伝わってこないと言い換えてもいい。
高性能を求めつつも洗練されたマナーのサスペンションと高剛性ボディとの組み合わせは完璧で、コンパクトな“1”であればさぞやスパルタンな……の予想はいい方向に裏切られた。
安定感でいうと、4輪の接地感が、いかなる場面でも失われそうにないことも印象的。屈曲路でも思いのままにアクセルを踏み込んでいられ、ステアリングを切れば思いのままに切り込んでいける。その間の駆動力の伝わりかた、クルマの挙動にまったく破綻がないことが掌(身体)に伝わるのも非常に気持ちがいい。
もちろんそれらは、駆動力やブレーキを制御する各種デバイスが働いてのことだろうが、あくまで裏支えであり、人工的な制御感のない自然さなのがいい。
◆胸のすくパワー感、スッと受け止めてくれるシートもいい
搭載エンジンは306ps/45.9kgmのハイスペックの2リットルDOHCターボで、これにステップトロニック付き8速ATの組み合わせ。このパワーユニットも前述の身体能力の高さに見事にマッチしたパフォーマンスを発揮してくれる。
低速でも気難しさはまったくなく扱いやすいし、エンジン回転を上げていくと、今度は快音を加えながら、アクセル操作にシャープに呼応しながらの胸のすくパワー感を楽しませてくれた。
着座するとスッと身体を受け止めてくれるシートもいい。最新の『3シリーズ』も同様だが、願わくば液晶表示のメーターに“オーセンティックな丸型盤面の2眼式アナログメーター”の描写も選べるようになれば、見やすく、BMWで駆け抜けている感がより感じられるようになると思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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