【試乗記】日産リーフG(FF)

日産リーフG(FF)【試乗記】
日産リーフG(FF)

誠実さが問われている

最大航続距離400kmをうたう新型「日産リーフ」に試乗。運転支援技術「プロパイロット」の搭載など、トピックに事欠かないニューモデルだが、やっぱり気になるのは“本当の”航続可能距離。540kmにおよんだテストドライブの結果を報告する。

バッテリーとモーターを改良

2代目「日産リーフ」が発売されたのは2017年10月のこと。ワンペダルドライブを可能にする「e-Pedal」などの新機軸を引っさげ、華々しくデビューした。
2代目「日産リーフ」が発売されたのは2017年10月のこと。ワンペダルドライブを可能にする「e-Pedal」などの新機軸を引っさげ、華々しくデビューした。
フロントフード下に収まる走行用モーターは最高出力150ps、最大トルク320Nmを発生。従来型から41psと66Nm向上している。
フロントフード下に収まる走行用モーターは最高出力150ps、最大トルク320Nmを発生。従来型から41psと66Nm向上している。
新型では、バッテリーのサイズは変えず、リチウムイオンを高密度化することで駆動用バッテリーの容量を拡大。最大航続距離は400km(JC08モード)を実現している。
新型では、バッテリーのサイズは変えず、リチウムイオンを高密度化することで駆動用バッテリーの容量を拡大。最大航続距離は400km(JC08モード)を実現している。
精悍(せいかん)な印象のフロントマスク。新たに日産のデザインシグネチャーである「Vモーショングリル」を採用している。
精悍(せいかん)な印象のフロントマスク。新たに日産のデザインシグネチャーである「Vモーショングリル」を採用している。
日産が電気自動車(EV)の普及に大きな役割を果たしたのは間違いのない事実だ。初代リーフが発売されたのは2010年12月で、量産EVとしては「三菱i-MiEV」に次いで早い。世界で約28万台を売り上げているのだから、EVのトップメーカーだ。最近になってEVを持ち上げ始めた新参者は敬意を払うべきだろう。7年の間に蓄積してきたノウハウが、これからの開発に生かされることになる。新型リーフに注目が集まるのは当然だ。

新型リーフを2日間にわたって試乗することができた。開催されるはずだったメディア向け試乗会が見送られたからである。これから大々的に新型リーフを売り出していこうというタイミングで、例の問題が発覚した。身から出たサビとはいえ、販売には痛手だろう。個別貸し出しになって日常使いの利便性を試すことができたのは、試乗する身にとってはありがたい。

新型のアピールポイントは、航続距離が大幅に伸びたことだ。日産ディーラーの店頭には、「航続距離拡大400km」という看板が目立つところに掲げられている。先代モデルは初期型が200kmで、改良によって228km、280kmと航続距離を向上させてきた。新型が300km台ではインパクトが薄いと考えて意地でもこの数字が欲しかったのだろう。

航続距離を伸ばすには、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量拡大が欠かせない。新型は従来の24/30kWhから40kWhにアップした。単位面積あたりのリチウムイオンを高密度化したので、バッテリーサイズは変わっていないという。乗員や荷物のスペースは犠牲になっていないのだ。

モーターも大幅に改良されている。最高出力は150ps(110kW)、最大トルクは320Nm(32.6kgm)となっていて、旧型に比べてそれぞれ41ps(30kW)、66Nm(6.7kgm)の向上だ。EVの魅力のひとつが内燃機関にはないスムーズで力強い加速であり、モーターの強化は商品力向上に直結する。

2代目「日産リーフ」が発売されたのは2017年10月のこと。ワンペダルドライブを可能にする「e-Pedal」などの新機軸を引っさげ、華々しくデビューした。
2代目「日産リーフ」が発売されたのは2017年10月のこと。ワンペダルドライブを可能にする「e-Pedal」などの新機軸を引っさげ、華々しくデビューした。
フロントフード下に収まる走行用モーターは最高出力150ps、最大トルク320Nmを発生。従来型から41psと66Nm向上している。
フロントフード下に収まる走行用モーターは最高出力150ps、最大トルク320Nmを発生。従来型から41psと66Nm向上している。
新型では、バッテリーのサイズは変えず、リチウムイオンを高密度化することで駆動用バッテリーの容量を拡大。最大航続距離は400km(JC08モード)を実現している。
新型では、バッテリーのサイズは変えず、リチウムイオンを高密度化することで駆動用バッテリーの容量を拡大。最大航続距離は400km(JC08モード)を実現している。
精悍(せいかん)な印象のフロントマスク。新たに日産のデザインシグネチャーである「Vモーショングリル」を採用している。
精悍(せいかん)な印象のフロントマスク。新たに日産のデザインシグネチャーである「Vモーショングリル」を採用している。

劇的に改善されたプロパイロット

テスト車のインテリアカラーはブラック。ダッシュボードやステアリングなどにはブルーのアクセントが施される。
テスト車のインテリアカラーはブラック。ダッシュボードやステアリングなどにはブルーのアクセントが施される。
特徴的な形状のシフトセレクターは先代譲り。
特徴的な形状のシフトセレクターは先代譲り。
フラットボトムタイプのステアリングホイールを採用する。向かって左側にはオーディオなどの操作スイッチが、右側には運転支援技術「プロパイロット」の操作スイッチが備わる。
フラットボトムタイプのステアリングホイールを採用する。向かって左側にはオーディオなどの操作スイッチが、右側には運転支援技術「プロパイロット」の操作スイッチが備わる。
テスト車にはオプションの本革シートが装着されていた。前席のシートヒーターは全車に標準で備わる。
テスト車にはオプションの本革シートが装着されていた。前席のシートヒーターは全車に標準で備わる。
後席は3人掛け。床下にバッテリーが収まるため、着座位置は少し高めだ。
後席は3人掛け。床下にバッテリーが収まるため、着座位置は少し高めだ。
モーター駆動にもすっかり慣れてしまったが、やはり発進する時の滑らかさは格別だ。音もなくスルスルと走りだし、アクセル操作に対する反応が素直でコントロールしやすい。以前と違うのは、「e-Pedal(イーペダル)」が使われていることだ。「ノートe-POWER」で初採用のワンペダル運転を発展させたシステムで、強力な回生ブレーキを利用してスピードをコントロールする。アクセルペダルを戻すと減速し、停止させることもできるのだ。

ボディーサイズの違いなどもあるのだろうか、ノートe-POWERで体感したものよりも、ワンペダル運転の味付けが若干マイルドになっているように感じた。電動カートのような楽しさが詰まっていたノートe-POWERに比べると、ずっと大人っぽい。ピュアEVであるだけに、ヤンチャなアクセル操作で無駄にバッテリーを消費するのは避けるべきだろう。

高速道路の巡航でも、EVのメリットは明らかだ。静かさは変わらないから、わずかな風切音でも気になるほどである。路面がいいところではロードノイズも少なく、スケーティングしているような心持ちになる。新たに採用された車体振動抑制システムの「インテリジェント ライドコントロール」の効果もあるのだろうか。ボディーの上下運動を予測して駆動力を制御し、振動を抑える機能なのだという。エンジンよりも反応が素早いモーター駆動ゆえ、細かなコントロールが可能になるのだろう。

「プロパイロット」の搭載も重要なトピックである。「セレナ」で初めて採用された運転支援技術だが、この手の電動技術と相性のいい、EVのリーフに使われることに意味がある。実際のところ、セレナではプロパイロットの動作はかなりぎこちないものだった。コーナーでハンドルがカクカクと動くのには閉口したのを覚えている。追従走行もレスポンスが悪くてイライラした。

そういった欠点は、劇的に改善されている。ハンドルの動きは滑らかだし、加減速も適切になった。渋滞時も安心してストップ・アンド・ゴーを任せることができる。1年の間にセンシングとコントロールの性能がアップしたのか、EVだから実現できたということなのかはわからない。いずれにしても、実用可能なレベルになっている。逆の言い方をすれば、1年前にハデハデしく「自動運転」をぶち上げたのは勇み足だったということだ。現在でも白線を見失うことが時々あるし、車線変更すれば3~5秒はレーンを認識できない。

テスト車のインテリアカラーはブラック。ダッシュボードやステアリングなどにはブルーのアクセントが施される。
テスト車のインテリアカラーはブラック。ダッシュボードやステアリングなどにはブルーのアクセントが施される。
特徴的な形状のシフトセレクターは先代譲り。
特徴的な形状のシフトセレクターは先代譲り。
フラットボトムタイプのステアリングホイールを採用する。向かって左側にはオーディオなどの操作スイッチが、右側には運転支援技術「プロパイロット」の操作スイッチが備わる。
フラットボトムタイプのステアリングホイールを採用する。向かって左側にはオーディオなどの操作スイッチが、右側には運転支援技術「プロパイロット」の操作スイッチが備わる。
テスト車にはオプションの本革シートが装着されていた。前席のシートヒーターは全車に標準で備わる。
テスト車にはオプションの本革シートが装着されていた。前席のシートヒーターは全車に標準で備わる。
後席は3人掛け。床下にバッテリーが収まるため、着座位置は少し高めだ。
後席は3人掛け。床下にバッテリーが収まるため、着座位置は少し高めだ。

自動パーキングは簡単操作

運転支援技術「プロパイロット」は、上級グレードの「G」のみに標準装備。中間グレードの「X」にはオプションで装着できるが、ベースグレードの「S」には設定がない。
運転支援技術「プロパイロット」は、上級グレードの「G」のみに標準装備。中間グレードの「X」にはオプションで装着できるが、ベースグレードの「S」には設定がない。
シフトセレクターの奥には、「e-Pedal」のオン/オフスイッチと、「プロパイロット パーキング」の作動スイッチが備わる。
シフトセレクターの奥には、「e-Pedal」のオン/オフスイッチと、「プロパイロット パーキング」の作動スイッチが備わる。
「プロパイロット パーキング」を使用中のセンタースクリーン。駐車可能なスペースが複数ある場合の選択や、駐車位置の微調整などを行う。
「プロパイロット パーキング」を使用中のセンタースクリーン。駐車可能なスペースが複数ある場合の選択や、駐車位置の微調整などを行う。
「プロパイロット パーキング」を試す。動作はゆっくりだが、テスト当日は一度の失敗もなく駐車できた。ただ、車輪止めにドスン! と当たるのは何度試しても同じだった。
「プロパイロット パーキング」を試す。動作はゆっくりだが、テスト当日は一度の失敗もなく駐車できた。ただ、車輪止めにドスン! と当たるのは何度試しても同じだった。
ワインディングロードを行く新型「リーフ」。素直でニュートラルなハンドリングが印象的だった。
ワインディングロードを行く新型「リーフ」。素直でニュートラルなハンドリングが印象的だった。
新しく追加された機能が「プロパイロット パーキング」である。スペースを見つけて自動で駐車するシステムで、縦列駐車も並列駐車もこなす。操作は簡単だ。センターコンソールに設けられたスイッチを押し、モニターに現れた駐車可能スペースを選んで開始ボタンを押す。あとは勝手にアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作して駐車を完了する。前進・後退も切り替えてくれるので、ドライバーはスイッチを押し続けるだけだ。

すいている駐車場で試してみた。動作が機敏とはいえないので、混雑した場所で使うのはまだはばかられる。駐車スペースを見つけるのは得意らしく、すぐにモニター上にPマークが現れた。ボタンを押していると、クルクルとステアリングホイールが回って前進・後退を繰り返す。障害物があると停止し、切り返して適切な位置に移動する。ちょっと気になったのは、なぜか枠の右寄りに止めたがることと、車輪止めにドスンと当たることだ。ただ、他社のシステムと比べると、これはかなり優秀である。まだ人間にはかなわないが。

重いバッテリーがボディー中心の低い位置に置かれていることが、運動性能にはメリットとなっているようだ。ハンドリングは素直でニュートラルな感覚である。適切な重量配分と高いボディー剛性だけでなく、コーナリング時に4輪のブレーキを制御して安定性を高める「インテリジェント トレースコントロール」の恩恵もあるのだろう。

新型リーフは、EVとしての性能を着実に高めた。ガソリン車では得られない運転の楽しみもある。それを認めた上で、まだ手放しで称賛することはできない。誰でも乗れる実用的なクルマだと言ってしまうのは無理があるからだ。2日間にわたって長距離を走ったことで、現時点でのEVの限界も見えてきた。

編集部でクルマを受け取った時、メーターに示されていたバッテリー残量は95%だった。航続可能距離は241km。400kmにはほど遠いが、これは仕方がない。JC08モードと実際の航続距離にはギャップがある。「フォルクスワーゲンe-ゴルフ」のように、満充電で理想的な数値を示して走りだすと減っていく表示方式のほうが少数派である。リーフのカタログに使われているメーターの写真でも95%で296kmになっているから、スペック値の7割強が実際の航続距離だとメーカーも認識しているのだろう。

運転支援技術「プロパイロット」は、上級グレードの「G」のみに標準装備。中間グレードの「X」にはオプションで装着できるが、ベースグレードの「S」には設定がない。
運転支援技術「プロパイロット」は、上級グレードの「G」のみに標準装備。中間グレードの「X」にはオプションで装着できるが、ベースグレードの「S」には設定がない。
シフトセレクターの奥には、「e-Pedal」のオン/オフスイッチと、「プロパイロット パーキング」の作動スイッチが備わる。
シフトセレクターの奥には、「e-Pedal」のオン/オフスイッチと、「プロパイロット パーキング」の作動スイッチが備わる。
「プロパイロット パーキング」を使用中のセンタースクリーン。駐車可能なスペースが複数ある場合の選択や、駐車位置の微調整などを行う。
「プロパイロット パーキング」を使用中のセンタースクリーン。駐車可能なスペースが複数ある場合の選択や、駐車位置の微調整などを行う。
「プロパイロット パーキング」を試す。動作はゆっくりだが、テスト当日は一度の失敗もなく駐車できた。ただ、車輪止めにドスン! と当たるのは何度試しても同じだった。
「プロパイロット パーキング」を試す。動作はゆっくりだが、テスト当日は一度の失敗もなく駐車できた。ただ、車輪止めにドスン! と当たるのは何度試しても同じだった。
ワインディングロードを行く新型「リーフ」。素直でニュートラルなハンドリングが印象的だった。
ワインディングロードを行く新型「リーフ」。素直でニュートラルなハンドリングが印象的だった。

想定以上に航続可能距離が減少

新型では駆動用バッテリーの容量が増えたため、80%までの急速充電に要する目安の時間が、従来の30分から40分へと長くなっている。
新型では駆動用バッテリーの容量が増えたため、80%までの急速充電に要する目安の時間が、従来の30分から40分へと長くなっている。
ステアリングホイールの右下には、ステアリングヒーターのオン/オフスイッチや、充電ポートを開けるスイッチなどが並ぶ。
ステアリングホイールの右下には、ステアリングヒーターのオン/オフスイッチや、充電ポートを開けるスイッチなどが並ぶ。
充電ポートは車両のノーズ部分に設置される。写真でコネクターが刺さっている方が急速充電用、オレンジのキャップがついている方が普通充電用。
充電ポートは車両のノーズ部分に設置される。写真でコネクターが刺さっている方が急速充電用、オレンジのキャップがついている方が普通充電用。
従来型と同様、ダッシュボードの上には充電の途中経過を示すランプが設置される。左からバッテリー残量33%、66%、100%を示している。
従来型と同様、ダッシュボードの上には充電の途中経過を示すランプが設置される。左からバッテリー残量33%、66%、100%を示している。
試乗初日は東京湾アクアラインを通って房総半島に行き、海沿いの道を走った。トリップが184.2kmになったところでバッテリー残量は24%になり、航続可能距離は68km。ここで最初の急速充電を行った。ナビで充電スポットを探すとたくさん示される候補のほとんどは日本充電サービス(NCS)のもの。ゾウさんの絵が書いてあるカードが使える充電器だが、試乗車に備えられていたのは日産のカードだったので、日産のディーラーを探した。後で聞いたらNCSでも日産のカードを使えたらしく、無駄な苦労をしたことになる。

ディーラーは休業日だったが、充電器は使えた。使いホーダイプランでは月2000円で急速充電が使い放題になる。30分ほどかけて、バッテリーは78%まで回復。航続可能距離は213kmとなった。自宅に帰るとバッテリーは22%で航続可能距離は60km。翌日の撮影場所にはたどり着けないので、近くの日産ディーラーで再度充電する。61%、164kmまで回復した。充電器の性能により、同じ40分でも充電量に差があるようだ。

待ち合わせ場所の道の駅すばしり(静岡県小山町)までは、約109kmの道のり。到着しても55km残っている計算なので、そこで急速充電すればいい。そうはいっても不安な気持ちもあるので、プロパイロットを使ってゆったりと走行し、電力消費を極力抑えようと考えた。渋滞もなく快調に走っていたが、中央自動車道の談合坂サービスエリア付近でメーターを確認すると、目的地まで60kmで航続可能距離は75km。かなり差が詰まってきた。

少しでも電力消費を減らそうと、プロパイロットの設定速度を下げて暖房をオフにした。それでも航続可能距離はどんどん減っていく。残り23kmで航続可能距離は19kmになり、「充電してください」「目的地にたどり着けない可能性があります」とアラートが鳴る。あわてて富士吉田インターチェンジで高速を降り、1カ所だけ見つかった急速充電スポットに向かった。コネクターが老朽化していたのか抜き差しができないというトラブルに見舞われたものの、56%、121kmまで戻す。

新型では駆動用バッテリーの容量が増えたため、80%までの急速充電に要する目安の時間が、従来の30分から40分へと長くなっている。
新型では駆動用バッテリーの容量が増えたため、80%までの急速充電に要する目安の時間が、従来の30分から40分へと長くなっている。
ステアリングホイールの右下には、ステアリングヒーターのオン/オフスイッチや、充電ポートを開けるスイッチなどが並ぶ。
ステアリングホイールの右下には、ステアリングヒーターのオン/オフスイッチや、充電ポートを開けるスイッチなどが並ぶ。
充電ポートは車両のノーズ部分に設置される。写真でコネクターが刺さっている方が急速充電用、オレンジのキャップがついている方が普通充電用。
充電ポートは車両のノーズ部分に設置される。写真でコネクターが刺さっている方が急速充電用、オレンジのキャップがついている方が普通充電用。
従来型と同様、ダッシュボードの上には充電の途中経過を示すランプが設置される。左からバッテリー残量33%、66%、100%を示している。
従来型と同様、ダッシュボードの上には充電の途中経過を示すランプが設置される。左からバッテリー残量33%、66%、100%を示している。

リーフとノートe-POWERで言い分が違う!?

今回の試乗では、2日間で540kmあまりをドライブ。最大航続距離400kmをうたう新型の実力を確かめた。
今回の試乗では、2日間で540kmあまりをドライブ。最大航続距離400kmをうたう新型の実力を確かめた。
テスト車のタイヤサイズは215/50R17で、「ダンロップ・エナセーブEC300」を履いていた。
テスト車のタイヤサイズは215/50R17で、「ダンロップ・エナセーブEC300」を履いていた。
テスト車には「BOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム」が装着されていた。本革シートとのセットオプションとして設定される。
テスト車には「BOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム」が装着されていた。本革シートとのセットオプションとして設定される。
540.5kmを走行しての電力消費率は6.4km/kWh(車載計計測値)。急速充電の回数は5回にのぼった。
540.5kmを走行しての電力消費率は6.4km/kWh(車載計計測値)。急速充電の回数は5回にのぼった。
なんとか道の駅すばしりにたどり着き、試乗で走り回って48%、102kmに落ちる。また充電すると73%、155km。撮影で走って46%、91km。もう1度充電して70%、139km。横浜の日産グローバル本社にクルマを返却した時には、バッテリー32%、航続可能距離85kmだった。初日に2回、2日目に3回充電したわけだ。走行距離の合計は540.5km。平均電費は6.4km/kWhだった。

自宅に充電設備がないので、急速充電器に頼るしかなかった。そういう状況では、リーフで東京から富士山のふもとまで往復するのは一苦労である。新型リーフの急速充電は40分で80%が目安なので、何度も充電を繰り返さなければならない。もし家族旅行だったら、楽しみを相当スポイルしてしまう。新型がEVとしての基本性能を向上させたことは確かな事実だ。それでも、長距離ドライブではまだEVはガソリン車と同等の使い勝手だとはいえない。JC08モードで定められている数字ではあっても、航続可能距離400kmを強調しすぎるのは誤解を生むことになる。

リーフのカタログにはEVのメリットとして「エンジンがないので、給油のためにガソリンスタンドに行くことはありません」と書いてあった。ノートe-POWERは「充電を気にせずどこまでも走れる、電気自動車のまったく新しいカタチ」がウリだったはずだが、どう整合性をとるのか。リーフの説明を是とするならば、ノートe-POWERは給油のためにガソリンスタンドに行かなくてはならないクルマだし、ノートe-POWERのキャッチコピーからすればリーフは旧式のEVということになってしまう。売らんがための詭弁(きべん)とは思いたくないが、ロジカルでないことは否定できない。

ピュアEVのリーフとシリーズハイブリッドシステムを搭載したノートe-POWERという2つの選択肢を持っていることは、日産のアドバンテージだ。どちらも現時点での電動化技術を最大限に生かした魅力的なモデルである。それぞれのメリットとデメリットをユーザーにわかりやすく知らせて、ライフスタイルに合ったモデルを選んでもらえばいい。ユーザーを惑わせるような説明は、誠実さを疑わせる。不祥事と結びつけたくはないが、問われているのは企業姿勢なのである。

(文=鈴木真人/写真=向後一宏/編集=藤沢 勝)

今回の試乗では、2日間で540kmあまりをドライブ。最大航続距離400kmをうたう新型の実力を確かめた。
今回の試乗では、2日間で540kmあまりをドライブ。最大航続距離400kmをうたう新型の実力を確かめた。
テスト車のタイヤサイズは215/50R17で、「ダンロップ・エナセーブEC300」を履いていた。
テスト車のタイヤサイズは215/50R17で、「ダンロップ・エナセーブEC300」を履いていた。
テスト車には「BOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム」が装着されていた。本革シートとのセットオプションとして設定される。
テスト車には「BOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム」が装着されていた。本革シートとのセットオプションとして設定される。
540.5kmを走行しての電力消費率は6.4km/kWh(車載計計測値)。急速充電の回数は5回にのぼった。
540.5kmを走行しての電力消費率は6.4km/kWh(車載計計測値)。急速充電の回数は5回にのぼった。

テスト車のデータ

日産リーフG
日産リーフG
日産リーフG(FF)
日産リーフG(FF)
日産リーフG

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4480×1790×1540mm
ホイールベース:2700mm
車重:1510kg
駆動方式:FF
モーター:交流同期電動機
最高出力:150ps(110kW)/3283-9795rpm
最大トルク:320Nm(32.6kgm)/0-3283rpm
タイヤ:(前)215/50R17 91V/(後)215/50R17 91V(ダンロップ・エナセーブEC300)
一充電最大走行可能距離:400km(JC08モード)
交流電力量消費率:120Wh/km(JC08モード)
価格:399万0600円/テスト車=440万5314円
オプション装備:寒冷地仕様<後席クッションヒーター+後席ヒーター吹き出し口+不凍液濃度アップ[50%]>(2万7000円)/本革シート+BOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム&7スピーカー(21万6000円) ※以下、販売店オプション ドライブレコーダー(3万9054円)/デュアルカーペット<フロアカーペット[消臭機能付き]、ブラック+ラバーマット>寒冷地仕様車用(3万3800円)/トノカバー(1万9800円)/LEDフォグランプ(6万8962円)/ウィンドウはっ水12カ月<フロントウィンドウ1面+フロントドアガラス2面 はっ水処理>(1万0098円)

テスト車の年式:2017年型
テスト開始時の走行距離:2624km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(1)/高速道路(8)/山岳路(1)
テスト距離:540.5km
参考電力消費率:6.4km/kWh(車載計計測値)

日産リーフG
日産リーフG
日産リーフG(FF)
日産リーフG(FF)

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