【試乗記】レクサスUX200“バージョンL”/UX250h“Fスポーツ”/UX250h“バージョンL”

レクサスUX200“バージョンL”/UX250h“Fスポーツ”/UX250h“バージョンL”【試乗記】
レクサスUX200“バージョンL”(FF/CVT)/UX250h“Fスポーツ”(4WD/CVT)/UX250h“バージョンL”(FF/CVT)

値札は見るな!

レクサス初のコンパクトクロスオーバー「UX」がいよいよ日本の道を走りだした。小さなSUV系のクルマがモテる今、このニューフェイスは“買い”なのか? パワーユニットや駆動方式の異なる3モデルに試乗し、その印象を報告する。

すみ分けはキッチリ

試乗会場に並んだ「レクサスUX」。今回はガソリンエンジンのFF車とハイブリッドの4WD車およびFF車に試乗した。
試乗会場に並んだ「レクサスUX」。今回はガソリンエンジンのFF車とハイブリッドの4WD車およびFF車に試乗した。
エッジの効いたデザインは「UX」の持ち味。後方に向かってキックアップしたホイールハウスやキャラクターラインで躍動感が表現されている。
エッジの効いたデザインは「UX」の持ち味。後方に向かってキックアップしたホイールハウスやキャラクターラインで躍動感が表現されている。
「コバルト」と呼ばれるツートンカラーの本革シート。上級グレード“バージョンL”のもの(写真)はヒーターやベンチレーション機能も備わる。
「コバルト」と呼ばれるツートンカラーの本革シート。上級グレード“バージョンL”のもの(写真)はヒーターやベンチレーション機能も備わる。
「ハッチバックとSUVのクロスオーバー」と謳うのがレクサスUXだ。Uはアーバン(urban)の頭文字。レクサスの品ぞろえで言うと、「CT200h」と「NX」を掛け合わせたような、都会的な新種のクルマ、ということだろうか。キャラクターとしては、「トヨタC-HR」のレクサス版に思えるが、そこはレクサス。価格帯は上で、中心は400万円台。上は535万円まである。

新世代プラットフォーム(車台)を採用するのはC-HRと同じだが、1.2リッター4気筒ターボと「プリウス」用1.8リッターハイブリッドを使うC-HRに対して、UXは新開発の2リッター4気筒と、それをベースにしたハイブリッドを搭載する。このエンジンはプリウス/C-HRのZR系ではなく、「レクサスES」の2.5リッターをダウンサイジングしたものである。

だが、こうした新設計のハード以上に重要なアピールポイントは内外装のデザインで、カタログもプレス用の技術資料も、まずデザインから入る。トヨタ初の女性チーフエンジニアも内装設計のスペシャリストである。

試乗会は神奈川県川崎市の湾岸地区を基地に行われた。短時間ながら、師走の首都高をメインに3台のクルマを試してみた。

試乗会場に並んだ「レクサスUX」。今回はガソリンエンジンのFF車とハイブリッドの4WD車およびFF車に試乗した。
試乗会場に並んだ「レクサスUX」。今回はガソリンエンジンのFF車とハイブリッドの4WD車およびFF車に試乗した。
エッジの効いたデザインは「UX」の持ち味。後方に向かってキックアップしたホイールハウスやキャラクターラインで躍動感が表現されている。
エッジの効いたデザインは「UX」の持ち味。後方に向かってキックアップしたホイールハウスやキャラクターラインで躍動感が表現されている。
「コバルト」と呼ばれるツートンカラーの本革シート。上級グレード“バージョンL”のもの(写真)はヒーターやベンチレーション機能も備わる。
「コバルト」と呼ばれるツートンカラーの本革シート。上級グレード“バージョンL”のもの(写真)はヒーターやベンチレーション機能も備わる。

見た目と違って柔らかい

都会派クロスオーバー「UX」は、視界の良さが自慢。前方への抜けや水平方向の見晴らしにこだわってデザインしたとアピールされる。
都会派クロスオーバー「UX」は、視界の良さが自慢。前方への抜けや水平方向の見晴らしにこだわってデザインしたとアピールされる。
ユニークなデザインの、インフォテインメントシステムの操作スイッチ。オーディオはアームレスト(写真左下)に手のひらを置いたまま操作できるようになっている。
ユニークなデザインの、インフォテインメントシステムの操作スイッチ。オーディオはアームレスト(写真左下)に手のひらを置いたまま操作できるようになっている。
新開発の2リッター直4エンジンは、「UX」が初搭載モデル。優れたエネルギー効率に加えて、自然吸気エンジンならではの回転フィーリングが長所とされている。
新開発の2リッター直4エンジンは、「UX」が初搭載モデル。優れたエネルギー効率に加えて、自然吸気エンジンならではの回転フィーリングが長所とされている。
メーターバイザーの左上方には、ダイヤル式のドライブモードセレクターが配される。
メーターバイザーの左上方には、ダイヤル式のドライブモードセレクターが配される。
ガソリンエンジン車「UX200」には、発進用のローギアを備える新開発のCVTが搭載される。
ガソリンエンジン車「UX200」には、発進用のローギアを備える新開発のCVTが搭載される。
最初に乗ったのは、「UX200」の“バージョンL”。ハイブリッドではない2リッターの上級モデルである。

ボディー外寸のタテヨコはC-HRよりひと回り大きいが、室内はむしろコンパクトに感じられる。後ろを振り返れば、後席空間もかなりタイトに見える。運転席のヒップポイントはC-HRより55mm低い。ダッシュボードもドライバーを囲むようなデザイン。4ドアとはいえ、スポーツクーペ的なキャビンである。

しかし、ダッシュボードの標高や、ドアのウエストラインは低い位置にあるため、視界はすごくいい。走りだすと、乗り心地はフワンと柔らかい。ハンドルなど、運転操作類のタッチも真綿でくるんだように柔らかい。そうしたせいか、まず感じたのは運転のしやすさ、取り回しのしやすさである。1840mmも車幅のあるクルマとは思えない。敷居の高いレクサスディーラーに、若い人、特に女性を呼び込むためのクルマ。そんな第一印象をあとで開発者に伝えたら、そうなるとサイコーですと応えた。

直噴/筒内ダブル噴射の新型2リッター4気筒は、最大熱効率を40%まで高めたという高効率を謳う。パワーも174psある。しかもプレミアムガソリン仕様である。期待して踏み込んだが、残念ながら特にスポーツユニットという感じはしなかった。素直な実用エンジンである。

新開発の無段変速機は 「ダイレクトシフトCVT」と呼ばれる。伝達効率の悪いロー側をベルトに担わせるのをやめて、代わりにローギアを設けた。結果としてワイドレシオでレスポンスのいい変速が実現したとされる。アクセルを踏むと、まずエンジン回転が高みに貼りつき、加速が遅れてついてくるCVT特有の“ラバーバンドフィール”の減少も狙っている。この日の使い方ではあまり大きな違いは実感できなかったが、違和感もなかった。

都会派クロスオーバー「UX」は、視界の良さが自慢。前方への抜けや水平方向の見晴らしにこだわってデザインしたとアピールされる。
都会派クロスオーバー「UX」は、視界の良さが自慢。前方への抜けや水平方向の見晴らしにこだわってデザインしたとアピールされる。
ユニークなデザインの、インフォテインメントシステムの操作スイッチ。オーディオはアームレスト(写真左下)に手のひらを置いたまま操作できるようになっている。
ユニークなデザインの、インフォテインメントシステムの操作スイッチ。オーディオはアームレスト(写真左下)に手のひらを置いたまま操作できるようになっている。
新開発の2リッター直4エンジンは、「UX」が初搭載モデル。優れたエネルギー効率に加えて、自然吸気エンジンならではの回転フィーリングが長所とされている。
新開発の2リッター直4エンジンは、「UX」が初搭載モデル。優れたエネルギー効率に加えて、自然吸気エンジンならではの回転フィーリングが長所とされている。
メーターバイザーの左上方には、ダイヤル式のドライブモードセレクターが配される。
メーターバイザーの左上方には、ダイヤル式のドライブモードセレクターが配される。
ガソリンエンジン車「UX200」には、発進用のローギアを備える新開発のCVTが搭載される。
ガソリンエンジン車「UX200」には、発進用のローギアを備える新開発のCVTが搭載される。

ハイブリッドの“Fスポ”がベター

スポーティーグレード“Fスポーツ”には、専用チューニングが施されたサスペンションが装着される。
スポーティーグレード“Fスポーツ”には、専用チューニングが施されたサスペンションが装着される。
“Fスポーツ”専用のスポーツシート。表皮は人工皮革が基本で、本革もオプションで選べる。
“Fスポーツ”専用のスポーツシート。表皮は人工皮革が基本で、本革もオプションで選べる。
“Fスポーツ”の専用メーター。中央のメーターリングがスライドすることで、表示される情報の内容が変化する。
“Fスポーツ”の専用メーター。中央のメーターリングがスライドすることで、表示される情報の内容が変化する。
“Fスポーツ”はホイールも専用デザイン。ダークプレミアムメタリック塗装が施されている。
“Fスポーツ”はホイールも専用デザイン。ダークプレミアムメタリック塗装が施されている。
次に試したのは、「UX250h“Fスポーツ”」のE-Four。後輪をモーター駆動するオンデマンド四駆のハイブリッドモデルである。

フワフワした柔らかさがあったUX200“バージョンL”から乗り換えると、まず乗り心地がスポーティーでしっかりしている。車重は110kg重いから、身のこなしにも上等な落ち着きがある。ドライブモードをS+まで上げると、電子制御ダンパーがさらに硬くなるが、ラフさはない。このあとハイブリッドの“バージョンL”にも乗ったが、UXには旦那仕様の“バージョンL”よりも“Fスポーツ”のほうが合っていると感じた。

トヨタ独自の動力分割機構を使う2リッターハイブリッドも、ベースの2リッターよりありがたみが大きい。走りは力強いし、もちろん静粛性も勝る。0-100km/h加速の社内データは、FFの250hで8秒台の半ばだというから、けっこうな快速だ。

試乗会に用意されるテスト車は60~90分の枠でそれぞれの乗り手に振り回されるわけだから、燃費のよかろうはずはないが、計器盤に示されていた平均燃費は、UX200で8km/リッター台。ハイブリッドのUX250hで15km/リッター台と大差がついていた。受注の8割がハイブリッドというのは正解だと思う。ちなみに、いちばん人気の白だと、いま(2018年12月中旬)注文しても納車は来年の5月以降だそうだ。

スポーティーグレード“Fスポーツ”には、専用チューニングが施されたサスペンションが装着される。
スポーティーグレード“Fスポーツ”には、専用チューニングが施されたサスペンションが装着される。
“Fスポーツ”専用のスポーツシート。表皮は人工皮革が基本で、本革もオプションで選べる。
“Fスポーツ”専用のスポーツシート。表皮は人工皮革が基本で、本革もオプションで選べる。
“Fスポーツ”の専用メーター。中央のメーターリングがスライドすることで、表示される情報の内容が変化する。
“Fスポーツ”の専用メーター。中央のメーターリングがスライドすることで、表示される情報の内容が変化する。
“Fスポーツ”はホイールも専用デザイン。ダークプレミアムメタリック塗装が施されている。
“Fスポーツ”はホイールも専用デザイン。ダークプレミアムメタリック塗装が施されている。

価格に見合わぬプレミアム

後席での着座位置は前席よりも高くなる。前後乗員のカップルディスタンスは870mmが確保されている。
後席での着座位置は前席よりも高くなる。前後乗員のカップルディスタンスは870mmが確保されている。
フィン形状が目を引くリアコンビランプ。レーシングカーのリアスポイラーから着想を得たもので、空力性能の向上に貢献するという。
フィン形状が目を引くリアコンビランプ。レーシングカーのリアスポイラーから着想を得たもので、空力性能の向上に貢献するという。
荷室の容量は5人乗車時で220リッター。柔軟性のあるトノカバーは、ひねりつつ小さく折りたたんで、フロア下に収納できる。
荷室の容量は5人乗車時で220リッター。柔軟性のあるトノカバーは、ひねりつつ小さく折りたたんで、フロア下に収納できる。
非接触タイプの充電機能を持つ電子機器に有効な「おくだけ充電」。2万3760円のオプションとして用意される。
非接触タイプの充電機能を持つ電子機器に有効な「おくだけ充電」。2万3760円のオプションとして用意される。
ボディーカラーは、新色「ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング」(写真)を含む全13色が選べる。
ボディーカラーは、新色「ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング」(写真)を含む全13色が選べる。
後席は見た目よりも広く、大人ふたりが過不足なく座れる。だが、荷室は狭い。床の奥行きはあるものの、容積が小さい。しかしこれは、リアエンドの左右を絞った特徴的なデザインのために割り切ったところだという。まるで小さなテールフィンのように見えるリアランプもこの造形の申し子だ。ボディー全幅にわたる直線部分にはLEDを120個使い、真後ろからだとテールウイングを思わせる。

実際、見て触って乗ってみると、「ハッチバックとSUVのクロスオーバー」は、“デザインいのち”の扱いやすいシティーラナバウトという印象だった。エントリー級レクサスとして、若年層を黒塀のディーラーに呼び込むのは間違いなさそうだ。

ただし、価格はエントリークラスとはいえない。今回の試乗車は、ガソリンエンジンのUX200でもオプション込みだと500万円オーバー、ハイブリッドの2台は600万円を超す。フツーのハッチバックであるゴルフが2台買える。試乗を終えて、価格を記した仕様書を車内で見るたびに、「たか!」と思った。そこまでのプレミアム感は実感できなかったのだ。

UXの助手席グローブボックスは、開けるとフタがゆっくり下に開く。でも、閉めるときに持ち上げると、プラスチックまるだしの軽さである。ゴルフのグローブボックスにゆっくり開く仕掛けはないが、フタそのものに厚みと重さがあって、安っぽい感じはしない。UXの室内ドアハンドルは、チタンカラーでカッコよくデザインされている。しかし、握ればすぐに樹脂製とわかる。ゴルフのドアハンドルはなんてことのない四角い取っ手だが、クロームメッキされた金属製だ。金属に見える物は金属でつくるというのがフォルクスワーゲン/アウディの“方針”だ。装備品の総量や凝り方ではまったく太刀打ちできないが、高級感や高価格感ではゴルフのほうが上のような気がする。

(文=下野康史<かばたやすし>/写真=田村 弥/編集=関 顕也)

後席での着座位置は前席よりも高くなる。前後乗員のカップルディスタンスは870mmが確保されている。
後席での着座位置は前席よりも高くなる。前後乗員のカップルディスタンスは870mmが確保されている。
フィン形状が目を引くリアコンビランプ。レーシングカーのリアスポイラーから着想を得たもので、空力性能の向上に貢献するという。
フィン形状が目を引くリアコンビランプ。レーシングカーのリアスポイラーから着想を得たもので、空力性能の向上に貢献するという。
荷室の容量は5人乗車時で220リッター。柔軟性のあるトノカバーは、ひねりつつ小さく折りたたんで、フロア下に収納できる。
荷室の容量は5人乗車時で220リッター。柔軟性のあるトノカバーは、ひねりつつ小さく折りたたんで、フロア下に収納できる。
非接触タイプの充電機能を持つ電子機器に有効な「おくだけ充電」。2万3760円のオプションとして用意される。
非接触タイプの充電機能を持つ電子機器に有効な「おくだけ充電」。2万3760円のオプションとして用意される。
ボディーカラーは、新色「ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング」(写真)を含む全13色が選べる。
ボディーカラーは、新色「ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング」(写真)を含む全13色が選べる。

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